崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

結核

2009年06月10日 05時49分17秒 | エッセイ
 昨日は自分史のような「朝鮮戦争」について書いたが、私にとって人生を変えるほどのでき事が結核を患ったことである。1959年ソウル大学に入学したばかりで学生デモに参加し、李承晩大統領が辞任宣言したあとの混乱時代に私は大学啓蒙隊に参加して、喀血し、結核末期という死の宣告(?)を受けた。出世と成功の野望の塊のような私が異様な視線を感じながら田舎で休養しなければならなかった。
 死を認め受け止める。生き返ったら社会に役に立つ人間になると祈るしかなかった。周囲と私の人生、社会が矛盾だらけ、論理が通じない社会への失望などが悲劇そのものであった。奇跡的に健康を回復して陸軍士官学校の教官になろうとした時、健康診断が問題であった。当時結核は治ってもX線上、影が残って問題になったが治療を担当してくれた姜博士が確認してくれて合格した。私の人生にはこの影のようなものが多くある。そんなものは誰にでもあるかもしれない。それが今の自分を強くも、弱くもしている。それが自分であると思う。