崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

香港の民主主義

2009年06月01日 05時47分10秒 | エッセイ
昨日香港民主派団体の主催で1989年6月4日の天安門事件からで20年を迎えるのを前に約8000人が民主化を求めるデモを行った。学生たちの民主化へのデモを中国軍が武力で鎮圧する生々しい画像が私の頭に克明に残っている。私は韓国の民主化過程を体験した者として、1989年の民主化を求める中国学生たちを心から強く応援した。また1999年イギリスの最後の植民地の香港が返還されたことを残念に思った。それについては植民地主義ではなく、民主主義の香港が「大国の大国化」へ加わることに抵抗を感じたからである。民主主義の芽生(天安門事件)と民主主義の堡塁(香港)が壊された。
 その過ぎた事件より残念なことは現在の中国人が「大国主義」を語りながら「民主主義」には鈍感であること、それ反してお金への関心は強いと感ずることから失望感である。歴史的に文化大国であった中国が今は黄砂と汚染のイメージが強い国になっている。金大中大統領が民主化なしで経済発展はないと言ったことばに耳を傾けてほしい。逆に香港の曽蔭権行政長官は「(民主化運動を)鎮圧したからこそ経済発展した」と言っている。長い目で香港の民主化運動が中国の発展へ寄与すると思い、それを期待する。