
3月1日に無事、アリゾナ州フェニックスより帰国致しました。
ブーゲンビリアとサボテンの常夏のようなアリゾナから一転して雪の関東に降り立ったわけですが、フェニックスを28日に出たので、時差が16時間はあるものの、到着日時は翌日29日と思っていましたら、何とすでに3月1日というわけでした!途中で気付いてもお知らせする手段がなく、ご心配をおかけ致したことと推察し、大変、申し訳なく思っております。
また、一週間もの長い間、ご連絡できずにいましたこともお詫び申し上げます。フェニックスはとても田舎のため、投宿したホテルの室内でのノートパソコンのIT関係は不可能、ネットにアクセス可能な設置PCは全館に一台のみで、何とかYahooメールにアクセスできても、自分の着信メールは24日でストップしていて、まったく機能しないという有様。学会会場に一番近く、学会参加者やサンド研究者の方々が多く宿泊されているというのでこのホテルに決めたのでしたが、この不都合だけには辟易とし、少々、後悔したという次第でした(携帯の不具合もあり、お世話になった先生のご逝去も帰国した日に初めて知り、翌日の御葬儀に何とかぎりぎり間に合うという危うさでした)。
アリゾナでは、遠くからよく来たと大歓迎を受け(アジア人の参加者は中国人と日本人女性各一名のみ)、孤独な一人旅を想像していましたので、望外のうれしい驚きでした。中心となって大会を組織運営されていた先生方や新旧の米国サンド学会会長はじめ、各国のサンド研究者の方々もアジア人の参加をとても喜んでくださいました。マルティーヌ・リッドさんと伴侶の方、米国サンド学会会長のカトリーヌ・ネッシさんが私だけのためにお時間を割き、現地の郷土料理レストランでタコス料理のディナーのご馳走してくださるという光栄にも預かり、感激致しました。また、"Crossing Boundaries: French and Francophone Women in Literature and Science, Culture and the Arts"という壮大なテーマのコロックの実質的な開催者でおられるアリゾナ州立大学のアレクサンドラ・グルジンスカさんにも特別ご親切にして戴き、ディナーの他、ご著書まで頂戴してしまいました。このほか、久しぶりに会った友人や初対面のアフリカ・アラブ諸国の発表者の方からも、会食、お茶会や観光同行への招待のほか、アリゾナ州立大学の図書館使用許可の案内など、至れり尽くせりの親切な歓待をして下さり、感動の連続でした。お陰様で、空き時間を見つけ、図書館で共著の索引の仕事を進めることができました。もう少し時間的余裕があれば、研究関連のASU所蔵書のリスト作成も可能だったのですが、この点は残念でした。
36の研究発表は同時開催プログラムのものも多く、とてもすべてを拝聴できませんでしたが、扱われた女性作家はクリスティーヌ・ド・ピザンからサンドはもちろんのこと、ボーヴォワール、デュラス、アメリー・ノトンや無名の女性作家たちに至るまで多彩でした。男性発表者も数名おられましたが、情けないことに英語でしたので理解が及びませんでした。日常的な英会話は予想外にスムーズにいき、道案内やタクシーの値段交渉など間違ったり損をするような事態に陥らなかったのは幸いでしたが、まだまだ英語の修業が足りないことを実感した次第です。
サンド研究の先生方とは、フランスで進行中の『サンド全集』および『サンド辞典』の編纂状況に関し、具体的な情報交換をすることが出来ました。Catherine Nesci, Martine Reid, Annabelle Rea,Raymonde Bulgar, Ling Wong, Valentina Ponzetto, Laura Colomboから、日本の先生方にくれぐれもよろし くとのことでした。皆さん、とてもお元気で、殊に見事な司会と発表をこなした90歳のRaymonde(イタリア・ヴェローナ大会のルームメート)は、Martine Reid,Catherine Nesciに続き、学会特別賞にノミネートされ、満場一致の拍手喝采を受けておりました。
以上、取り急ぎまして
まずは無事帰国のご報告までにて