
日本を発った時は、気温30度。ツールの9月中旬は暑くも寒くもなく心地よい気候でしたが、コロックは石造りの中世の僧院で行われたため、ひとつのシークエンスが20分から30分の三つの発表で構成されている最後の発表の質疑応答の頃になると、足下から寒気が襲ってくるので、各シークエンスが終わるたびに参加者の皆さんは日だまりを求めて急いで屋外に出るのでした。
食事は主に同じ僧院内のケータリングによる冷製ビーフやポーク、サラダ、パテ、チーズなどのほか、デザートのケーキも色とりどり、量も十二分で大変美味しかったのですが、コーヒーや紅茶のほかは冷たいものばかりで、毎回となると、これには少し閉口しました。ツールの郷土料理だというトリップとレンズ豆の煮込み料理、それに羊のチーズがシノンのワインと共にとりわけ私には絶品に思えました。主催者の会長さんのお話では、毎食、数十万円の費用がかかっているとのことでした。食事代は主催者側の負担なので、二年に一度しかコロックを開催できないという理由もわかるような気がしたものです。
画像は僧院の庭園ですが、さかさまの世界となってしまいました。