西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
本ブログ記事の無断転載および無断引用をお断りします。
 

『母のおもかげ』と『ピクトルデュの城』

2011年12月10日 | サンド研究



『ピクトルデュの城』は『母のおもかげ』(山主敏子編著、偕成社、1982,16刷) の原題でサンドが1873年2月に書き上げた小説です。最近の邦訳では『ジョルジュ・サンドセレクション8 ちいさな愛の物語』に収録されています。

 
『ピクトルデュの城』は女性画家ディアーヌの物語です。
画家の父は、娘ディアーヌの才能を認めていません。義理の母はおしゃれに身をやつし奢侈な生活を送ることに夢中で、義理の娘ディアーヌのことなど頭にありません。ディアーヌは、廃墟の古城で壁に描かれたベールをかぶった女性に実の母の面影を求めます。この母の像を心に秘め、見たことのない母の肖像画を描くために、ディアーヌは、日々、絵筆に精進を重ねます。そして今では落ち目となった流行画家の父親を凌ぐほどに画才を伸ばしたディアーヌは、竟に真の芸術家となって見事な成長を遂げるのでした。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Radio: Par Oui dire, George... | トップ | ミュッセ(youtube) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

サンド研究」カテゴリの最新記事