いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

貯蓄率低下を脅しに使う前に

2009年07月23日 20時59分26秒 | 経済関連
経済学の専門家がこんなレベルだから、日本経済はダメなのだ。

貯蓄率急落の先にある悲劇:伊藤元重(NIRA理事長、東京大学教授)Voice - goo ニュース

今頃になって判った、ということでもあるまいに。

以前から伊藤教授には一目置いてきたものの、これではレベルが低すぎると感じるのである。もしも一般人向けの啓蒙を書きたいのであれば、財政赤字の危機感を煽る材料などにはすべきではない。せめて具体的な対策は~です、ということを明瞭にしてから、危機を訴えるべきだ。「地震が来たら、あなたの家は倒壊しますよ」と散々脅しておいて、対策はどうなるか判らないけどあんまりないよ、という話だけでは、多くの一般人は困るだけだろう。地震対策にはコレコレが有効と考えられます、くらいは言えるでしょう、普通はという話。


伊藤教授によれば、家計部門の貯蓄率は「かなり低下」しているよ、ということで、将来の財政赤字ファイナンスをどうするのかね、という脅しをしているわけである。ファイナンスの主体は誰になるでしょう、と。例えば、今の米国だと国の借金は『GDP比の200%超え』であり、世界で一番の借金大国には違いないわけだが、米国はほぼ海外の投資家によってファイナンスされているわけである。最も大きな主体は中国、次いで日本、後はロシア、ブラジル等々の世界中のほぼ全部の国がファイナンスしているわけだ。「借金は返せるはずだろう」という期待というか、近々の予想がそうなっているから、というだけだ。誰の、何の保証も当然あるわけがない。ただ、米国の稼ぎ(GDP)はそこそこ大きいから返せるんじゃないかな、という非常に曖昧な期待のみによって支えられているわけである。

多くの国々にとって、「今のこの体制を崩すわけにはいかない」という事情があるから、というだけであり、借金が本当に返って来るあてなど誰にもない。格付け会社は、たとえどれほど悪条件であろうとも、米国債の格付けを落とすわけにはいかないのだ。落とすと、本当にカタストロフが訪れるかもしれないからだ。それに、彼らには彼らの稼ぎの事情や利害関係があるからだ。たとえ投資家を裏切ることになろうとも、重要なのは自らの利益を守ることだからだ。格付け会社が、法の厳格な適用をする裁判所の如くルールに完璧に従う、などということは、単なる幻想だ。もしも厳格に判断基準を適用したら、国債の格付けなんてかなりメチャクチャなんだな、ということが判るだけであろう。

試験で大幅に「えこひいき」する教官みたいなもので、クラスで優等生の彼が80点なのに、どうしてあの子が98点なのか誰にも判らない、というようなのと同じだ。98点という採点基準が、他の誰にも判らない、という仕組みになっているからである。98点の中身を見ると、実はテストではたったの58点でしかないけれど、教官の「好きな生徒で印象が良い」というボーナス点の加算が40点あれば98点という点数を作ることは可能なのである。そういう情報をオープンにした途端に、彼らのメシの種を失うのだ。二度と格付けでは食べていけなくなってしまう(笑)。これは別に国債格付けだけに限った話などではなく、格付け情報を操作することによって得られる利益というものを利用してきたことは、世界経済同時危機によって明らかになってしまっただけなのだ。

これは、まあいい。本題ではないから。

貯蓄率が低下してきた話は、拙ブログでも取り上げたことがある。

05年7月>長期停滞の先にあるもの

私みたいなド素人ですら05年段階で知っていた事柄ですから、経済がご専門の方々ならば、みんな知っていて当然であろう。そればかりか経済財政白書にも書かれたくらいですので、業界内では周知の事実ということだ。


あと、

08年12月>日本再建を考える

この中で指摘したが、「企業貯蓄が増加した」ことが、まず問題だったのだ。

昔であれば、家計部門が貯蓄を増やす一方で、企業が貯蓄を赤字にして投資に回していた。つまり、設備投資等の投資を企業が行うことによって、貯蓄投資バランスではそこそこの投資額がGDP統計上で存在していたはずなのだ。しかし、デフレ期間に入って以降、多くの企業が負債を削減=企業貯蓄の大幅増、ということが起こったのである。その投資額減少は更なる景気後退を呼び寄せた。
家計部門は所得を削られ、挙句に増税や各種保険料増という負担増ばかりだった上に、低金利時代で利息収入は減少した。代わりに、企業の配当増を拡大した。


別に、家計部門が昔に比べて怠惰だから「貯蓄しなくなった」なんていう話ではないのだよ。
むしろ、今の20代とかは独身だからといって貴族になれるわけでもなく、浪費することなしに「貯蓄しようとする」という傾向すら報告されているではないか。

貯蓄率が低下している理由には複数要因があろうかと思うが、①高齢化②人口減少という構造的な問題は一般国民には対処できない話であり、国民のせいではない。それ以上に、将来に渡って持続的に問題になるのが、③家計所得の減少、だ。これは経済運営の問題。デフレを継続し、国民所得の伸びを止めた(マイナスにした)ことが、最悪の結果を招いているのだよ。代わりに、企業貯蓄が大幅に増加した、ということも言うべきだろう。

ご立派な東大の、経済学教授とあろうお方が、どうしてこういう部分を指摘しないのか、それが不思議だ。
ド素人でしかない私の意見を①~③のように書いてみたところで、単なる個人的見解に過ぎないのだけれど、そういうのは素人だから許されるという話であって、専門家なのであれば、もっと高度な部分まで網羅できていても当然であろう?要因も理由も、きちんと学問的裏付けを得るものであろう?違うの?


まあ、バブル崩壊以降の全ての負担を、一般国民に回したということさ。
銀行救済にしても公的資金で、それは国民が負担したんだよ。

ツケを払わされているのは、バブルで借金を大量に作り上げた銀行でもなければ大企業でもない、ただの一般国民だ。それどころか、当時には借金を作ることさえできなかった若年世代が、ツケの伝票だけ回されて、高齢世代の代わりに支払をする上に、「貯蓄率が下がっている」と文句まで言われる始末さ。貯蓄できるほどの余裕なんかないというのに。


こういう経済運営をもたらした責任の多くは、何度も言うようだが、無知無能な専門家たちだ。判ったような面した、態度だけは偉そうな人たちだ。

一般大衆がこういう事態を招いたのではない。

専門家はこういう時に何の責任も負うことなく、何らの痛痒も感じず、繰言みたいな無益な内容の言説を流すだけで、だからといって反省するでもなく間違いの責任を取るわけでもないのだ。


貯蓄率が低下している、ということなんだそうだが、じゃあ、経済学の専門家たちは何らかの新たな知見の一つでも獲得したのか?

「肥満は体に悪い」と言うのが一般素人レベルであって、専門家が明らかにするレベルではない。
「肥満」が他の内科的疾病(たとえば冠疾患や高血圧などの循環系疾患とか糖尿病とか)とどういう関係にあって、どういうリスクがあるとか、どんな対策が望ましいとか、そういうことを研究してゆくものなんじゃないの。
経済学の世界で、貯蓄率とか貯蓄のエキスパートなんて学者が存在するのか?そういう研究の真剣さが足りないんじゃないの、って、百万回言ってるんだよ。


何故日本の貯蓄率が下がってしまったのか、この主な要因は何と何と何で、どういう影響の大きさだったか、どうすれば改善可能なのか、或いは改善せずとも持続可能性には問題ないのか、改善する為の対策にはどのような弊害が発生すると考えられるのか、そういったことを一つ一つ明らかにしていこうとするのが、学問だ。
何故、そういう答えを探そうとしないのか?
どうして事実を積み上げようとしないのか?

「肥満は体に悪い、何故なら心臓死の可能性が高まるからだ」と言うだけなら、単なる素人さんなんだっての。そんな説明で満足しているのは、ド素人だけなんだっての。こういうのを「研究」とは専門家たちは呼ばないだろう?(いや、医者じゃないから、実際どうなのかは知らないんだけどさ)


経済学の偉い先生方は、本気で意識革命に取り組むべきだと思う。



続・経済学への期待と落胆

2009年07月23日 16時38分29秒 | 経済関連
つい先日の記事に関連するけれど。

珍しく(笑)エコノミスト誌と意見が似通っているかな、と思ったよ。

経済学の何が間違っていたのか  JBpress日本ビジネスプレス


経済危機を招いた実務家たちが傲慢だった、とか、色々と言われたりしたと思うが、日本においては経済学者たちやエコノミストが傲慢なのではないかと思わせることはあるね。それが証拠に、反省の弁を述べる人たちなんて、極々僅かしか存在しないからである。

日本の経済学のあり方について、よく考えてみるとよいのではないかと思う。



処女懐胎??

2009年07月23日 16時19分03秒 | いいことないかな
なわけないか。

こりゃ、シマウマ版のデキ婚では(笑)。


<釧路市動物園>シマウマが出産 赤ちゃん見付け、妊娠知らなかった飼育員らびっくり(毎日新聞) - Yahooニュース

(以下に一部引用)

このシマウマは静岡で生まれ、先月10日に来園。今月19日朝、飼育員が獣舎で赤ちゃんを見つけ、大騒ぎになった。同園の関係者は「母親はよく仲間にけられていた。いま思うと冷や汗もの」と言いつつ、予期せぬ授かりものに笑顔を見せた。

=====


しかし、気付かなかった飼育員さんたちも、どうなんでしょうか、ってな話ですわな。誰か一人くらい気づけよ、と。しかも、自分で無事出産しちゃって、気付いたら「子シマウマが増えていた」ってな有様ですからね。

自然って、やっぱ凄い(笑)。自分できちんと分娩するんだね。


それにしても、「よく仲間にけられていた」ってイジメじゃないか。
それは多分、身重になったお母さんシマウマへの嫌がらせか、身ごもらせた「夫シマウマ」の陰謀で「オイ、あいつの子どもを堕ろさせろ、やっちまえ」という指示の下、お母さんシマウマへ蹴りを入れるなどの暴力行為を働いていたのではないだろうか。

そうした迫害やイジメにも耐えて、出産したんだよ、お母さんシマウマは。母は強し、って、よく言ったもんだ。


とか、好き勝手に夫シマウマの悪巧みストーリーなどを考えてしまいましたが、ウソ八百です。

でも、夫が名乗り出ないわけでしょう?
勝手にやるだけやっておいて、やり逃げなわけですよ、夫シマウマは。で、メスに比べてオスの方はバカか身勝手なので、「ピピーピュ~♪♪」みたいに知らんぷりを決め込んで、素知らぬ顔で口笛吹いたりなんかしてるんだね。許せん!

シマウマの人生とか、オスとメスのやり取りなんかが浮かんでくるようで、人間の男と女の物語とおんなじなんだねー(笑)。

って、違うか。