いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

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「神風期待」が招く珍現象

2009年07月02日 21時28分59秒 | 政治って?
ここ暫くマスコミを賑わせてくれたのは、東国原知事の言動であった。

東国原知事の立てた計算というのは、「したたかな自分」ということを基にしたものだったろう。安く値踏みされたのは、自民党であり、総裁のイスだった。東国原知事の計算においては、既に暴落してしまっている、ということだ。勿論、暴落したのは自民党総裁のイスの価値だ。敗戦目前の増援申出みたいなもので、弱っていると思えばこその条件が提示されるのである。


敵兵1万に対して、味方は僅かに2千。
強力な助っ人の増援を頼もう。
「ひがし殿、援軍を頼む」
「よかろう、1000人くらい兵を出そう。その代わり、オレを総大将にしてくれ」

こんな感じ。

敵1万に対して味方が拮抗しており、兵力が8千とか9千とかであれば、1千やそこらの援軍を出したからといって総大将の地位を手に入れられるとは考えないであろう。けれど、兵力差が大きくて、援軍の千か2千の数が死活問題に直結するような場面であれば、同じ千人の兵力を投入しても価値が高いので、総大将にしてくれという要求も可能になる、ということだ。そういうしたたかな計算をしたのが東国原知事、ということであろう。「計算のできるオレ」というのを知ってもらいたかったということも、彼の言動には含まれているであろう。

足元を見られてしまうとは、自民党の凋落ぶりをよく表しているであろう。ただ、東国原知事の安く付けた値が一般国民の感覚に近いのだ、ということは考えておくべきではある。どうしてこんなに値が下がるかといえば、全然ダメなので「神風を期待しています」ということを自ら曝け出してしまったからだ。しかもその神頼みの相手が東国原知事ということなのである。では、何故神頼みしかないかといえば、もう自力ではどうにもできないと認めているからである。自民党の政策とか運営能力とか、そういう本筋では全く勝負にはならないということを認めてしまっているからである。情けない。


ここまで落ちてしまったのでは、もうしょうがないんじゃないか。「しょうがない」発言ではないけれど(笑)、本当にしょうがないわ。どうにもならんもの。揃いも揃って、ダメばかり。あるのは不協和音だけ。自分の楽器だけが目立てばいい、という浅ましい連中ばかりだ。それほどまでに、自民党の劣化が酷いということでもある。

「神風よ、吹け!」
孔明じゃあるまいし(笑)。東国原知事にそんな風を吹かせてもらえるとでも思ったか?

それは大衆を―有権者を舐めてるとしか思えんな。
こういう「風頼み」に依存してゆくようになって、余計にダメになっていったんじゃないか。そういう風潮を助長してしまったんじゃないか。それでいいのか?選挙というのは、そういうもんか?(笑)


匙を投げる、というのは、こういう時にこそピッタリなのかもしれんな。
東国原知事は、「道路作ってくれ、作ってくれ」って、しつこく国にお願いしていたしな。道路特定財源問題で暫定税率廃止か、という話になっていた時、道路族に加担して暫定税率維持を盛んに訴えていたな。そういう知事だ、ということはよく覚えておくべきだろうね。



参考までに個人的意見を書いておくと、閣僚を補充というのを誰が指南したのか知らないけれど、あれじゃ全然ダメだろうね。
本気で勝負をかけるというのであれば、あんな人事は決して行わないと思う。

逆転の一手ということを重視するのであれば、全くの無名の、世間では誰だか判らないような人を登用しただろう。それも、女性とかだな。男性でもいいんだけど、ドラマチックの度合いではやはり女性かと。年代は40歳前後、できれば若い方がよい。50歳とかだと、全然ダメ。30代前半なら、good。そういう人をいきなり閣僚に据えるのさ。周囲の反対を押し切って、総理が独断で据えるんだよ。責任は全部オレが取る、って言ってな。与党内からも反発がかなり出るだろうが、それでいいんだよ。

どうせ実力発揮とかになる前に、選挙に突入せにゃならんし。人気の度合いによって、東京とか関東圏の大票田の比例1位に使うかどうかを考えればいいわけだし。運良く人気が出たら、即候補として立てる。不人気だったら、選挙後の組閣でポストを外れることで解消されるし。


世間が一番興味があるのは、「誰?これ」ってな状態だ。
杉村大蔵がそうだったじゃないか。
大体、悪くても1ヶ月くらいはネタが尽きないかもしれない。良い話が掘られた後には、悪い話を探り出してこられることも覚悟しておく必要があるけどね。どっちにしろ、話題豊富になることは間違いないんです。注目を集める。こういうのを狙っていたからこそ、東国原に出馬要請しに出かけていったわけでしょう?

だったら、思い切ったフレッシュ人材の閣僚を据えて、世間を驚かせたら良かったんじゃないですか。
ペイリンさんは、そうやって立てられたけれども、長丁場になると通用しなくなってゆきます。負ける時は負けます。だから、奇襲の作戦ではあるけれども、正攻法ではない。非常時だからこそ、そういう一手を考えるべきだったのではないか、とは思います。時すでに遅し、ですけど。