音楽の歴史上有名なツーショット写真のこと。ウィーンの、恐らく楽友協会図書室辺りがいまは所蔵しているのだろうと思うのだけれども、ブラームスがヨハン・シュトラウス二世と一緒に写っているスナップ写真が残っているそうだ。だから、同時代を生きた大作曲家のふたりが知り合いだったことはたしかだとして、あのブラームスが平生ヨハン・シュトラウス二世の音楽をどのように批評していたかを具体的に伝える文献はないらしい。しかし、なんとなく唐突なのだけれども、ブラームスはヨハン・シュトラウス二世の皇帝円舞曲をことのほか好きだったような気がする。今朝はとりわけそうした思いに駆られる。どうしてかはわからない。
短歌メモから。
その朝(あした)レムリア人が笛をふく パトカーに張り付く蜘蛛型発信機
姫様にやさしく呼ばれてのど鳴らす ブルネグロのお城の〈ネコ〉とふ名の鳩
いまの私には、困ったことに、西暦年号をついつい2016年とまだ書いてしまう癖がある。その度に、訂正でノートが汚れてしまうのが、なにか口惜しくてならない。
残念な訃報。昨日4日に、指揮者ジョルジュ・プレートル氏が92歳で逝去された由。プレートル氏というと、むかし亡き父の書斎にあった河出書房・世界大音楽全集(LP、全30巻、昭和42年)の、たしか『グリーグ・シベリウス』巻の、うろ覚えの記憶が間違っていなければシベリウス交響曲第五番(モンテカルロフィルハーモニー管弦楽団)。昨今のレコード批評諸子によるプレートル氏のシベリウス演奏の世評はあまり高くないらしくて、シベリウス演奏CD再発売などの噂もとんと聞かないけれども、その父のレコードの解説にあった若々しいプレートル氏の写真と〈少年時代から空手を嗜むプレートル氏の身体の切れが独特の素晴らしい指揮に活かされている〉云々の記述がいまだに印象深い。合掌。