今朝の短歌メモから。
姫さまの鞄を爺やは受け取りぬ差し出し住所をじつと眺めて
住所欄には〈旅行中〉とあり 姫さまの万年筆文字かそかに滲みて
部屋に戻りて爺やはよいしよと腰下ろす 姫さまご下賜の真白き無線機
〈姫さまは今はどちらへ〉と爺や打つ ピツピツピツピと無線機鳴りて
打ち終へて爺やはフウと息を吐く ダージリン入れむと棚へと歩く
〈さういへば〉と机の鞄へ目を遣りぬ ダージリン入るる手は止めぬまま
鞄の中身は見てゐなかつた ダージリンのティーカップ右手に鞄へ近寄る
鞄開くと真白き無線機はありて受信ランプあかく灯りをり
ダージリンのティーカップ持つ手が震へ出す 爺やはただホウと息を吐くのみ
姫さまの鞄を爺やは受け取りぬ差し出し住所をじつと眺めて
住所欄には〈旅行中〉とあり 姫さまの万年筆文字かそかに滲みて
部屋に戻りて爺やはよいしよと腰下ろす 姫さまご下賜の真白き無線機
〈姫さまは今はどちらへ〉と爺や打つ ピツピツピツピと無線機鳴りて
打ち終へて爺やはフウと息を吐く ダージリン入れむと棚へと歩く
〈さういへば〉と机の鞄へ目を遣りぬ ダージリン入るる手は止めぬまま
鞄の中身は見てゐなかつた ダージリンのティーカップ右手に鞄へ近寄る
鞄開くと真白き無線機はありて受信ランプあかく灯りをり
ダージリンのティーカップ持つ手が震へ出す 爺やはただホウと息を吐くのみ