歌誌『塔』9月号より。
酒好きの叔母だつたからと弟は遺骸に「山崎」ぶつかけていた/大八木靖子
〈ぶつかけていた〉から、叔母の遺骸に満遍なくウィスキーの「山崎」を振りかけている〈弟〉の姿を想像させて、そのシュールさにドキリとした。ウィスキーのアルコールが作用して火葬炉の中の叔母の遺体は実によく燃えたはずである。がおそらく実際は、火葬場の叔母の遺体の口元へウィスキーを含ませた綿を運んで口元を湿らせたような感じで、それをこのような物語的一挿話に仕上げたのかもしれない。マジックリアリズムの迫力を感じさせて、巧い一首と思った。
今日は久々のいちにち休み。昨晩から一晩をかけて懸案の原稿書きに集中して取り組み、午前中にどうにかこうにか完成させて送信した。これから別の懸案に取り掛かる所存。