カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

本光寺辺り

2011-07-06 22:54:04 | Weblog
夏の暑い宵の最中に戸口に出て団扇扇ぎながら中島敦を繙くのは、なんだか似合っているような気がする。なぜか。たとえば彼が南洋の作品を残しているからだと考えて、でもそれは正答とは限らぬと思う。とにかく夏には中島敦がよく似合うのだ。彼の文体の間に漂う独特の澄明な空気感のせいかもしれない。で中島敦で唐突に思い出すのは深田久彌の名前だ。南洋に出掛ける前の中島敦から草稿を託され、中島敦が世に出るきっかけを作った作家。そして深田といえば後年の『日本百名山』がとにかく有名。で、深田はいまは生まれ故郷の石川県加賀市、旧大聖寺町の法華宗本光寺に深田家先祖たちとともに眠っている。で、その法華宗本光寺というところは、実は私の八代より前の母方の先祖たちが眠っているお寺かもしれない。この本光寺辺りのことは、この夏の間、ぜひ時間を作って調べてみたいテーマのひとつです。
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小説家中島敦の短歌作品より。

2011-07-06 14:19:20 | Weblog
我が歌はおならの如し腹内(はらうち)にたまりたまりてふと打出づる  中島敦


敷島の大和の和歌(うた)は楽しけどわれのゐるべきところにあらじ  中島敦


料理屋の裏戸ゆ見ゆる七輪のほのほ色なく夕暮れにけり  中島敦



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私はこの中では三首目が好きです。
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