[ 2021-03-16 建設通信新聞 ]
参照記事
https://www.kensetsunews.com/archives/549770
日本建築家協会(JIA、六鹿正治会長)は14日、2020年度優秀建築選に応募があった275作品の中から、青木淳氏(AS)、西澤徹夫氏(西澤徹夫建築事務所)、森本貞一氏(松村組大阪本店)、久保岳氏(昭和設計)の「京都市美術館(通称・京都市京セラ美術館)」をJIA日本建築大賞に決めた。新旧の融合による新たな価値の創出が高く評価された。JIA優秀建築賞には、安田幸一氏(安田アトリエ)の「福田美術館」、勝山太郎氏(日建設計)の「松山大学 文京キャンパス myu terrace」が選ばれた。
保存再生のカテゴリーで大賞に選ばれるのは、10年度の「犬島アートプロジェクト『精錬所』」(設計者は三分一博志建築設計事務所の三分一博志氏)以来となる。
東京都渋谷区の建築家会館で開かれた最終審査会で、5作品の設計者によるプレゼンテーションを踏まえ、大賞と優秀建築賞を決めた。新型コロナウイルス感染症防止のため、設計者はオンラインで参加し、審査の模様はライブ配信された。審査委員は、いずれも建築家の木下庸子氏(委員長)、佐藤尚巳氏、手塚貴晴氏、田原幸夫氏と、編集者の橋本純氏が務めた。
京都市美術館(通称・京都市京セラ美術館)は、1933年の開設から80年以上が経過した美術館の耐震改修と、現代のニーズに対応するための機能充実を図る再整備工事が実施され、デザインビルド(設計・施工)一括方式が採用された。
プレゼンテーションした青木氏は、再整備に当たっては親しみやすくにぎわいのある美術館、エントランス機能の拡充、可逆性を持たせた改修を提案したと説明。「歴史的な建築物をただ保存するだけでなく、もともとあった建物の流儀に新しいものを重ねた」と振り返った。
審査委員からは「近代建築の保存・再生で1つ突き抜けた」「昔から存在していたようなデザインになっている。この先、日本が取り組まなければならないことを建築を通して見せてくれている」などの声が上がった。
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