モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

肖像画に引き込まれる理由

2024-06-27 23:37:40 | 大人 油絵・アクリル


鳥光 油彩

マユカです!今回は鳥光さんの作品をご紹介していきたいと思います。

今回の作品は鳥光さんの推しの肖像画です。そっくりなので、見てすぐに「あ!彼だ!」と分かる方もいらっしゃるかと思います。
ダボっとした服装ですが、細く鍛えられた男性の肉体がちゃんと入っているように描かれています。横から見た身体は薄くなりすぎてしまったり、肩と首の位置関係が正面に比べ難しく、立体感を出すのに手こずりがちなのですが、ちゃんと肩や腕が手前に来ていることにより奥行きは勿論、光の当たり方にメリハリも生まれ、大きな影を背景と手前に落としたことで人物周辺のコントラストが高まり、画面がとても見やすくなっています。顔周辺が特に見せたい場所だからこそ強い光が当たっていること、書き込みがしっかりとされていることも加えて、だれがどう見ても最初に人物へ目が向くのです。

また、影色を場所によって変えているのも素敵です。青っぽい色だけでなく、光の近くは紫っぽく。落ちている影は緑っぽい色を使っています。これにより画面からシンプルな印象がなくなり、人物よりも背景の方が多くの面積を占めていても、見ごたえを感じる作品に仕上がっているんですね。

肖像画の多くは光と影とのコントラストや影色を人物とは逆の色相にして置くことで、より人物を引き立てて見せているものがほとんどです。肖像画が盛んだった時代では自己紹介や、見た人にその人物のイメージを伝える役割がありました。写真とは違い、魅力を最大限引き出して描くことができるため、描いている人の力量で良いイメージを印象付けることが出来る…それが肖像画です。特に「推し」ともあれば描いている本人が一番「魅力を伝えたい!」と感じてのことでしょうから、肖像画のモチーフにぴったりというわけです。皆様も魅力を伝えたい人物を是非、描いてみてくださいね!


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