赤松 左-アクリル/ 右-油彩
寒さにかまけて寝てばかりでは体に悪いと、散歩するようになりました。マユカです!歩いているだけでも絵の題材になりそうなものは見つかるものですね。さて今回は赤松さんの作品をご紹介していきたいと思います!
今回紹介する2枚は、共に鮮やかな色彩が印象的でありながら非常に立体的、奥行きを感じます。ビビットな色合いに影をつけようとすると濁って見えてしまうことがしばしばあるものですが、鮮やかな部分の周りに落ち着いた色を持ってきたり、がっつりと暗い色をのせることで、更にその鮮やかさを引き立てています。
左の絵ではその相乗効果を使い、色とりどりな布で着飾った象たちがメインであることが一目でわかりますね。像使いの人間も目立ちはしますが、全員が同じ色をしていたり、奥に見える城は細かく描かれているものの強い日差しに照らされて煌々と輝いているため、神々しい様子を持たせつつ目立ちすぎないように抑えられています。明度がくっきりとわかりやすく手数の多さからも、自然と象たちへと視線が吸い込まれていくのでしょう。
また、右の室内の絵の方も同じように、床にはライムグリーン、傍には赤、天井付近にレモンイエローを配置することで、ビビットな色面の多い床から天井へと視線が移っていきます。誘導されることにより、平面に描かれた空間の広さを感じさせ、長く見ていても飽きの来ない作品になっているように思います。
今までアクリルや色鉛筆で制作されていた赤松さん。左のインドの絵はパネルに水貼りした紙にアクリルで手慣れた制作の印象ですが、右は麻のキャンバスに初めての油彩です。勝手が違うので、少々画材に翻弄されたようにも見えました。
昭和の白黒写真を元に、自由に色を想像して乗せられました。白黒写真に想像で色を付けてここまで立体的かつモダンな雰囲気を感じるのは、赤松さんの色遣いや元の写真の家具や柱の配置にモンドリアンのようなセパレートがあるからでしょうか。
思い切った色をのせるとやはり画面が映えますね。はっと目が覚めるような色彩は扱いが難しいですが印象にも残りやすく、華やかな印象を与えてくれるものです。差し色に使ってみたり、輪郭の隙間にチラリとのぞかせてみるだけでも大分印象が変わるため、皆様も作品制作中に「全体的な色味が地味かもしれない」と悩んだ際にはぜひ、ビビットカラーやビタミンカラー・ネオンカラーを使ってみてくださいね。