モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

デッサンの描き方講座

2023-05-18 23:11:47 | 学生ワークショップ

暑い日が続いてますね。マユカです!
本日も昨日のナツメ先生に続き、学生クラスの話題です。春は学生クラスでデッサンの基礎の講座を開いたり、デモンストレーション等して描き方を教えていますが、こちらの『ブロックとボール』も、その授業の一コマです

今回描いたモチーフは、簡単に言ってしまえば直方体と球の本当に基本的な組み合わせなのですが、ここにブロックの空洞が入ってくることで一気に難易度が上がります。まずはざっくりと大まかに形を取ってから、少しずつ輪郭→大体の陰影...という風に進めていきます。直方体の辺同士はパースを意識し平行にせず、奥が狭くなるように注意しながら形を整えたら、ブロックの穴を描いていきます。上面を3分割し、手前>真ん中>奥になるように穴の大きさを調整し、そこからやっとブロックの厚みを出したり、窪みを暗くしたり等、どんどん描きこみます。生徒たちには2時間でこのモチーフを描いてもらいましたが、いつもはゆっくりと描いている子や、筆がなかなか進まない子もサクサクと描き進め、短い時間ながらもブロックの前後感や描きこむ場所にメリハリをつけ、全員がピントの合ったデッサンを描いていました。

そもそもデッサンは何のために描くのでしょうか。
理由は人それぞれでしょうが、デッサンは作品を作るための基盤、土台の部分であると私は思っています。デッサン力は油絵や水彩画、イラストレーション等、「平面的な絵」に説得力を持たせるためにとても大切なもので、デッサンが上達すれば比例するように作品の質もどんどん上がります。全ての土台故、その人の実力がはっきりと表れてしまうのもまた、デッサンなんですね。だから美術系の学校の受験では必ずと言っていいほど、デッサンの試験があるわけです。

かくいう私も昔はデッサンが苦手でした。高校受験のためにデッサンを始めたのですが、イラストを描くことが好きでも、写実的な絵は上手く描けず、なにより飽き性なので同じモチーフに向き合い続けることに飽きてしまって、モチーフを見ずに描こうとしてしまったりと、自分勝手に筆を進めていました。当然それでは上手くなるはずもありません。
ですがある日、こういった場で、同級生が描いている姿やデッサンを近くで見て、自分の作品と比べ、もっと頑張らないと。という気持ちになり、それからはデッサンにも集中して取り組むことが出来るようになっていました。(志望校に合格した後からわかったことですが、ミオスの先生方で私の性格を考えて、同級生と同じモチーフを隣で描かせてみよう、という話をしていたそうです。負けず嫌いな性格がバレてる…)

全員が全員そうというわけではありませんが、絵が好きだったり将来美術に関わりたいと思っている子は、自分の画力にある程度の自信があったり、心のどこかに負けたくない、上手くなりたい!という熱い気持ちを宿しているように感じます。そういった気持ちは、誰かと隣り合ってデッサンを描くことで引き出されていくのかもしれないなと感じたブロックデッサン講座でした。


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