モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

素晴らしい展示会でした

2018-11-05 23:55:14 | 展覧会

大人クラスの展覧会が終わった次の日から、一息つく間もなく毎日ゾンビメイクで過ごしたオバラです。(月曜~木曜まで、幼児・小学生クラスがハロウィンのハリウッド特殊メイク講座でした。)
水曜日は小学生クラスと大人クラスの空き時間が短く、そのメイクのまま授業をしましたが、皆様に「ゾンビは毎年見慣れているから、むしろ画廊滞在中のきちんとした格好の小原先生の方がずっと驚いた!」とコメントを頂き、嬉しいような情けないような甘じょっぱい気持ちになりました。

私は7日間在廊しており、たくさんの方とお話させて頂きました。生徒さん達とは、普段できないような絵に対する情熱や、込められた思い、今後の抱負など伺う事ができ、充実した1週間を過ごす事ができました。
また、違うクラスの方の作品を見てもらいながら、コンセプトを解説したり、技法の紹介をしたり、アプローチの仕方を提示してみたり、質問・疑問に答えたり、描く事だけでは得られない勉強の場となったことが、何より良かったと感じています。

そして生徒さん以外のお客様と話して興味深かった内容もあります。
画廊巡りをされている方は絵画教室に通っている方が多いのですが、一番多かった質問は「なぜ皆さん違う絵を描いているのですか?」というもの。ミオスしか絵画教室を知らない生徒さんは《好きな題材に、好きなだけ時間を掛けて、好きな画材で、好きなように描く》が普通だと思っていませんか?実はそういう教室の方が圧倒的に少ないのです。とくにカルチャーセンターでは場所や時間に制約が多い為、決められた時間内に同じモチーフを描くのが当たり前です。ですから結局は先生のお見本が最高で、それを一番上手く再現できた人が良しとされます。私はそういうやり方が嫌いで、ミオスを立ち上げた時からその人の心の中にあるイメージを引き出せるように協力してきました。

一番驚いたのは、「うちの教室では、題名ですら先生に許可をもらう必要があります。寂れた街を描いて『別れは朝』なんて題名付けたら、意味が通じない!と却下されるのがオチです。」という話し。過疎化が進んだ街に、忘れられた工事現場の柵、寒い冬に葉の落ちた木々、そこに弱いが美しい朝日が当たる様は、『別れは朝』という題名がなければ見逃してしまいそうなドラマが潜んでいます。暗く辛い夜は必ず明ける、時が経てば誰しも平等に春は来る。悲しい出来事もいつかは痛みが薄れるでしょう。という優しいメッセージは、きっと追川さんが自分自身に向けたものなのだろうと切なくなるじゃありませんか!絵も題名も自由だからこそ、他人を感動させる力が宿るのだと思います。(11月2日のブログ、下段右の作品です。)ちなみに今回私が一番素敵なタイトルだなと思ったのは『雨音と静寂の間』。(上段左から2枚目)室内に飾る紫陽花だからこそのこの題名。詩人ですねぇ、原さん!エリック・サティの曲が聞こえてくるようです。

しかしこうと書くと自慢ばかりにしか聞こえないので、反対意見も載せましょう。
「もし私がミオスに入会していたら、苦しくて続かないと思います。皆が皆、表現できる自分がある訳ではないんですよ。」ごもっともです。自分探しをしたら空っぽの自分が見付かった。よくありますね。
生徒の皆様には改めて、辛く厳しい道のりを歩いて頂いているのだと実感しました。本当にご苦労様です。

そうそう、この展覧会で生徒さんのお知り合いの何人かに「厳しい先生ってどちらの方ですか?」「うちの主人が怖~い先生と言っているのですが、今日はいらしてます?」「鬼軍曹に会いに来ました!」と言われました。会社で叩かれ、金を払っている趣味でも叩かれ、ストレス溜まり放題!すみません‼ごめんなさい‼

さて最後に今更ですが、本来なら2年に1度開かれている全クラス合同の生徒作品展の年であったのに、なぜ今年は画廊で大人クラスだけの展覧会になったのか?
実は来年ミオスは25周年(四半世紀!)を迎えるので、そこで合同の生徒作品展を開きたいと思ったのでした。でもそうすると3年空けなくてはならず、3年経つとスタッフの展示の勘が鈍ります。それならば、毎回オートクチュールの高い額を買って出品される大人クラス生徒さんの作品を、東京の画廊で一人一人にライティングを施した相応しい状態で展示して見てみたい!と思い立ったのでした。
この思い付きは、本当に素晴らしい結果を招きました。こんな素敵な展覧会になるとは、想像を遥かに超えていました。きっと参加された生徒さん、見に来て頂いたお客様、皆様にそのように思って頂いたと確信しています。

53人の社会人の皆様に参加して頂いた今回の展覧会。素晴らしい絵画の出品をありがとうございました!


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