上田 透明水彩
岩田です。今回は、上田さんの作品をご紹介します。
上田さんは、人物が上手くなりたいという思いでミオスに通われている方。
こちらは、家呑みをしている場面を絵にした1枚。まるで酔っぱらってソファから、ふいにパシャっと撮ったような、面白いアングルで描かれています。
ペンをベースに全体を透明水彩で彩色していますが、サラッと描いているものの、雑然と飲み物などが置かれているテーブルや家具、室内全体の状況が、ごく自然に描かれていて、描画材の扱いに手慣れているという感じを受けると同時に、肝である人物を意外にもあっさり描いているなあという印象を受けます。
前回、ご紹介したこちらも同様、客観的にその場、その状況を俯瞰して描くことは、とても得意なのだと思いますが、取り巻く風景と同等位に人物を扱っているのかなという気さえしてくるのです。もっと個々人に思い入れがあっても良いのではと感じます。
例えば、より人物にスポットライトがあたるような状況を絵にしてみたり、動きのあるシーンを選ぶなど、何を描きたいのかを見定め、更に描き込む比重を変えて、1枚の絵を仕上げてみてはどうでしょう。
tpoによる、その時々の状況はもとより、心情や感情によっても人の表情やしぐさは多様に変化するものです。そうしたことに興味を持ち、更に魅力的な人物を描いていって下さい。