モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

発想力は無限大

2024-03-21 23:25:04 | 小学生 絵画

リトグラフのバトン4番目のマユカです!名前は聞いていたものの、実物や制作風景は見たことが無かったリトグラフに、このような形で触れることになるとは思っていませんでした。
描き方や塗り方で工夫を凝らし、白と黒だけではなくグレートーンも使うことでより見やすく、より表現の幅を広げた作品が生まれます。こうして並んだ版画を見てみても、白黒だけではない色の幅が、版画らしからぬ深みを出しているのが分かるかと思います。しかし、そんな表現技法なんかより、何より今回は物語性の強い作品を作るカリキュラムだったため、イラストが描けると喜んでいる子が多かった印象でした。
動物のお題や季節のお題が多く見られたため、おそらく描きやすいものも多かったかと思いますが、中には「アトリエミオスで」や、「暖かなスープとビーチボールが」というような、描けても一枚では表現が難しいお題が出てしまうことも多く、その度に一緒になって悩んだり、簡単な描き方を一緒に模索したりしました。見本を描いている途中で「どんなお話にするの?」なんて話をしていたら、語っているうちに止まらなくなって、どんどん新しい設定が生えていくのを見て、子供たちの想像力に底は無いんだなぁ、なんて思いました。

今回のカリキュラムで作ったお話を少し読ませてもらい、子供たちが版画でどんなことを表現したかったのか、版画で切り抜いたワンシーンがどんな状況だったのかなどを詳しく知ることが出来たわけですが、中には「このワンシーンはそんな意図だったの?!」というものも。
例えば、一見すると悩みながら絵を描いているように見えたヒマリの作品。実は家に帰ろうか悩んでいるうちに日が暮れて、結局帰り道を探すのが面倒くさいからと、帰ることをあきらめてしまう子のワンシーンを描いていたようでした。
また、デパートの上でお菓子を漁る鳥を描いていたと思ったミツルの作品は、実は遠い国へ冒険しに行く途中のワンシーンを描いていて、大男やスズメバチなど、版画では描かれていない場所にまでお話を広げていました。

子どもたちは、世界観やお話を画面の外までいっぱいいっぱい広げるのが得意なのでしょう。その独特な発想や、型にとらわれないようなお話の広げ方は、少し見習いたくなる場所があるくらい、大人には真似のできない芸当です。あのピカソだって、晩年は子供が描く絵の表現を追い求めて何枚も何枚も作品を描いていたといいます。
リトグラフという特殊な版画を通じて、ランダムに渡されたお題で子供たちが作り上げたお話を想像しながら見るのも良いですね。
リトグラフバトンも次回でいよいよ最後です、明日もどうぞお楽しみに!

コメント
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