宇佐美 アクリル
ナツメです。本日は日曜クラスの宇佐美さんの作品をご紹介します!瓶に生けられた花と、周りの風景をアクリル絵の具で描かれました。
突然ですが、皆さんは絵を描いている時に見ている色や想定している色をそのまま乗せたはずなのにちょっと違うな、何故か浮いて見えてしまうな…と思った経験はないでしょうか?色は周囲のものの色相や明度によって、本来とは違った見え方になります。例えば、一色の同じ灰色でも白と並べた時には暗く、黒と並べた時には明るく見えます。
特にアクリル絵の具は乾くのが早くほとんど滲まない画材なので、油絵具や水彩と違い少し色味を変えて他の色と馴染ませるといった作業が難しいです。今回は外からの光のみに照らされた、少し暗めの室内の様子を描かれたため色の作り方に試行錯誤されていました。たくさん悩まれただけあって、弱い光の中でもなお鮮やかなカーネーションのマゼンタや深みのある葉の緑など、少しずつ色を変えて巧みに表現され、総合して空間の雰囲気がとてもよく出ている作品になりましたね。瓶の屈折や反射も丁寧に描写されています!ちょっとした像の歪みまでも緻密に追っていて、思わずじっと眺めてしまうほどの仕事です。工業製品である瓶をしっかりと描かれているため、植物も生き生きとして見えてきます。ひっそりとこの空間を彩っている、静かで品のある佇まいが伝わってきます。
ぜひ今回の色作りや細部まで入念に描かれた経験を今後の作品作りに活かして下さいね!