モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

古めかしくも美しい街

2024-02-02 20:56:37 | 大人 水彩


佐藤k 透明水彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは佐藤さんの水彩画です。ドイツのハイデルベルクの街を描いています。旧市街の奥には赤砂岩のハイデルベルク城が見えますね。ドラクエやゼルダの様な中世ファンタジーゲームで育った私はこの光景にとてもワクワクしてしまいます。笑
以前紹介したこちらの絵の、反対岸から描かれたものだと思います。ネッカー川に架かるカール・テオドール橋はドイツで最も古い橋の1つだそうです。また、ドイツで最も古い大学のハイデルベルク大学もこの街にあります。その下には長い輸送船が通っており、古都にいきなり現代が入り込む不思議な光景ですね。

バーントシェンナの屋根が並ぶ中、ウルトラマリンがアクセントに塗られています。(右側のウルトラマリンの屋根の建物は聖霊教会でしょうか)同じ角度から撮った写真を見ましたが、実際にここまで鮮やかな屋根は存在しなかったので、作者の工夫が入っているのでしょう。奥へと行くにつれ彩度を落とした絵の具を薄く塗っていく事で、空気の層を作り遠近感が作られています。作品の観る人の視線が、手前の橋から街へと渡り、ウルトラマリンの屋根を伝い、森の奥へと誘導されて最後に城へとたどり着く様に導かれていっていますね。

以前と作品と比べますと、より透明水彩の色合いを生かした透明感のある仕上がりとなっていると思います。太陽の光や澄んだ空気が感じられ、より画面の中の街の息遣いが伝わってくる様です。水彩絵の具は色を重ねすぎても濁ってしまうので、やめ時の見極めが難しいものですが、そのタイミングをマスターしてきているのではないでしょうか。次回も鮮やかな作品をお待ちしております。

コメント
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