モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

静かな迫力

2014-09-12 10:57:21 | 大人 日本画
Matuoka_11松岡 日本画

二年に一度の展覧会の時期が近づいていますね。いつもはブログでしか見られない作品も間近で見てより楽しめる機会ですから、私も今からワクワクしています!


さて本日は水曜午前大人クラスより、松岡さんの日本画をご紹介します。ずっと日本画を描いている松岡さん、今回はテレビ番組で見た骨董品をモチーフに選びました。迫力が伝わってくる格好良い作品です。花器の青を何度も重ねて作り上げたとろけるような色味に釘付けになってしまいます。
 
松岡さんは、直感でこれを描きたい!と思ったものを、どんどん取り込んでいるのが感じられます。感覚を広く開放してキャッチしているのでしょう。描きたくなるのも、楽しく(時に苦しく)描けるのも心を動かされたからこそ。そしてそれを作品の画面上でしっかりと伝えるには技量が必要です。そう言った意味でもこの作品、素晴らしいですね。松岡さんがどこを気に入ったのか、言葉でなく作品で物語っていますものね。展覧会にも出品されるので、ぜひ間近でご覧下さい!  
 

Matuoka_12そして今回の作品も、中々劇的な途中経過でしたのでちょっとご紹介。
はじめは透明水彩で青や緑を垂らしこみながら描き進め、その後胡粉や顔彩、岩絵具とかけて深みを出していきました。薄い緑やターコイズっぽい色味に瑠璃色…とこの青の変化も、見れば見るほど美しいですね!下地には最終的に赤一色の背景にするため、緑と黄色をダイナミックに使っています。これぐらいの色を下に仕込んでおくと、赤い背景もナイフで削りだしてチラリと黄を覗かせる…なんてテクニックで鮮やかに迫力を増してい見せられますね。赤と青の対比で花器の色も眩しいほどに鮮やかです。


ちなみにこんなに凄みのある作品なのですが、描き終わった後の松岡さんの、やったー!終わったー!の声は、まるで夏休みの宿題から開放された少年のようでした。そのギャップがなんともおかしくて毎回楽しみにしている、庄司でした。

コメント
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