モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

油絵色変化

2014-07-25 23:10:00 | 小学生 絵画
2014_07_2502

上段左から  拓実 2年 / 朋 4年 / 椋太朗 4年
下段左から  雪乃 5年 / 真彩 5年 / 和真 6年


夏休みも始まり、巷にも何だかウキウキした気分が漂っていますね。
そんな中、まだまだ小学生油絵完成報告続きます!本日は水曜クラスの作品をご紹介します。

拓実 - 富士山と新幹線!今回紹介する中では唯一の二年生なのですが、中々に堂々とした一枚!有無を言わせぬパワーはやはり低学年の魅力です。しかし大胆さを活かすためには、細部のこだわりが重要!新幹線の先頭部など、パキッとした白がきいてますね!富士山と空の青も、同じにならないように何度も色を作ってはのせ、を繰り返し、色とタッチでしっかりと区別が付けられています。また、山裾から山頂にかけての色の違いや 透けるような雲の描写も見所です。

朋 - 並木のトンネルの緑の美しさが見事!枝の伸び方も苦心しながらよく表現したなぁと感動です!中央の道に色をのせながら、(手前と奥を意識して描いたけれど)ちょっとやりすぎちゃったかな?と本人は言っていましたが、これくらい差をつけて大丈夫!微妙な色の変化をしっかり捉えているのがよく分かります。影になる部分の緑などで全体は暗い色調のため、トンネルを抜けた後の光がより美しく目に飛び込んできますね!ファンタジーの世界のようで、見ているだけでも何かが起こりそうな予感にドキドキしてしまいます。

椋太朗 - 画面いっぱいに広がる干潟と夕陽を描いた椋太朗。目がチカチカする~、なんて周りの子に言われるほどの、この色数の多さは見事!絵具は全色出して、そのままの色で塗らないこと…など、言われたことはしっかり守る彼の生真面目さが伝わってきます。そしてそれを取り込みつつ、どう面白くしてやろうか…と常に虎視眈々と狙っているような、彼そのものが表れていますね!その性質で作り上げたこの画面!荒々しさや雄大さの中に吹き抜ける風を感じます。いやぁ、うまくまとめあげたなぁと感心しきりです!

雪乃 ー ミントグリーンやピンクと言った空の微妙な色の変化がとても美しく、遠景の雪の残る山々と相まって、山の空気を胸に吸い込んだような清々しさを感じます。画面下の雪は、写真には写ってないけど実際の景色では雪が積もってた!だから描きたいの!と本人に強い意志がありました。じゃあ説得力があるように描くんだよ!と発破をかけると、影になる雪の色もよくよく思い出しながらじっくり作り上げていました。このモチーフのこれが描きたい!という意欲や、こういう作品にしたい!というイメージが明確なことも彼女の強みであるなぁと常々感じます。


真彩 - 一目見て印象派の作品を思い起こさせるタッチ、もう言うことなしで、思うままにどんどん描いてもらいました。自然物と人工物の描き方の違いや適度な省略、緑の濃淡の使い分けなど見どころ満載です。建物の描写も、ピンポイントではっきりとした線を入れることでより引き立っています。そうしたことを理屈と感覚の両面で理解しているのが素晴らしい!でも何よりもこの色彩感覚が見事です!鮮やかな色彩から、画面全体に空から降り注ぐ光を感じますよね。うーん、まさに印象派…。

和真 - 油絵途中からの入会でしたが、何のその。実力を見せつけてくれました。力強く煙を吹き上げて迫り来る音まで聞こえてきそうですよね。描き込みすぎていないのに機関車の細かなディティールまで想起させられるのは、大まかな光をしっかりと観察してポイントを捉えているからですね。そして何より!煙の描写が見所です。後ろに流れるにつれてだんだん薄くなっていく様までタッチの変化をつけ表現されています。これを最後にササッとやってのけるのですから、唸ってしまいます!


というわけで、今日も今日とて猛々暑でしたが、この素晴らしい作品群にパワーを貰って乗り切りましした! 庄司でした。

コメント
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