放課後のお絵描き教室で、少年少女が徒然なるままに描いた小さな油絵を、徒然なるままに選んだテキストと共に鑑賞いたしましょう。(火曜小学生クラス)
編集/南澤孝見
左上から 晴菜 5年 / 慶徳 4年 / 美釉 4年
日和 3年 / 栞里 4年 / 渉太 3年
晴菜-しとやかな薔薇は刺を出し
おとなしい羊は角でおどす
白ゆりの花はただ愛をよろこび
輝く美をそこなう刺もおどしもない。(ウィリアム ブレイク)
慶徳-「ぼくはもう、すっかり天の野原に来た。」ジョバンニは云いました。
「それにこの汽車石炭をたいていないねえ。」ジョバンニが左手をつき出して窓から前の方を見ながら云いました。
「アルコールか電気だろう。」カムパネルラが云いました。
ごとごとごとごと、その小さなきれいな汽車は、そらのすすきの風にひるがえる中を、天の川の水や、三角点の青じろい微光びこうの中を、どこまでもどこまでもと、走って行くのでした。(宮沢賢治/銀河鉄道の夜)
美釉-自然の美しさ それは記念碑のように大切にそっとしまっておくべきもの 恋人よ、目先のことだけで自分を安く売るなよ さもないとそのうち君の魂ってやつが危険にさらされてしまうから 自然の美しさ それは記念碑のように大切にそっとしまっておくべきもの(ニール ヤング)
日和-完全なものは、自由をもって表現される場合には、すぐに美しいものに変ずる。物の自然が、その技巧と一致して現れる場合には、すなわちあたかも技巧が物自身から自発的に流れ出るかのように見える場合には、完全なものは自由をもって表現される。(フレデリック シラー/美と芸術の理論)
栞里-朝起きると悲しくもないのに涙が出てきます。いつも世界が揺れているようで、悲しくもないのに涙が溢れてきます。なんとか治らないでしょうか。(東京都 44歳 男性)
渉太-人類は、さまざまな美しい花を咲かせる無数の芽というより、むしろ一本の道をひと続きになって走る幌馬車の長い隊列に似てくるだろう。馬車の何台かはインディアンに襲われ、火をかけられて道端に置き去りにされるだろう。戦いで気が動転し、一時とんでもない方向に向かうものもいれば、道のどこかまで引き返して定住地を探そうとする人々もいるはずだ。主街道をはずれたあとで、最後の山々を超えるにはみんなと同じ道を辿るべきだったと気づく一行もある。だが、ほとんどの幌馬車隊はのんびりと旅を続け、最後にはそこへ到着するだろう。(フランシス フクヤマ/歴史の終り)
編集/南澤孝見
![Abura14ka Abura14ka](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/29/65d67f319b2648f127db61fd28d3d613.jpg)
日和 3年 / 栞里 4年 / 渉太 3年
晴菜-しとやかな薔薇は刺を出し
おとなしい羊は角でおどす
白ゆりの花はただ愛をよろこび
輝く美をそこなう刺もおどしもない。(ウィリアム ブレイク)
慶徳-「ぼくはもう、すっかり天の野原に来た。」ジョバンニは云いました。
「それにこの汽車石炭をたいていないねえ。」ジョバンニが左手をつき出して窓から前の方を見ながら云いました。
「アルコールか電気だろう。」カムパネルラが云いました。
ごとごとごとごと、その小さなきれいな汽車は、そらのすすきの風にひるがえる中を、天の川の水や、三角点の青じろい微光びこうの中を、どこまでもどこまでもと、走って行くのでした。(宮沢賢治/銀河鉄道の夜)
美釉-自然の美しさ それは記念碑のように大切にそっとしまっておくべきもの 恋人よ、目先のことだけで自分を安く売るなよ さもないとそのうち君の魂ってやつが危険にさらされてしまうから 自然の美しさ それは記念碑のように大切にそっとしまっておくべきもの(ニール ヤング)
日和-完全なものは、自由をもって表現される場合には、すぐに美しいものに変ずる。物の自然が、その技巧と一致して現れる場合には、すなわちあたかも技巧が物自身から自発的に流れ出るかのように見える場合には、完全なものは自由をもって表現される。(フレデリック シラー/美と芸術の理論)
栞里-朝起きると悲しくもないのに涙が出てきます。いつも世界が揺れているようで、悲しくもないのに涙が溢れてきます。なんとか治らないでしょうか。(東京都 44歳 男性)
渉太-人類は、さまざまな美しい花を咲かせる無数の芽というより、むしろ一本の道をひと続きになって走る幌馬車の長い隊列に似てくるだろう。馬車の何台かはインディアンに襲われ、火をかけられて道端に置き去りにされるだろう。戦いで気が動転し、一時とんでもない方向に向かうものもいれば、道のどこかまで引き返して定住地を探そうとする人々もいるはずだ。主街道をはずれたあとで、最後の山々を超えるにはみんなと同じ道を辿るべきだったと気づく一行もある。だが、ほとんどの幌馬車隊はのんびりと旅を続け、最後にはそこへ到着するだろう。(フランシス フクヤマ/歴史の終り)