駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

恐竜は恐くないが、狭量は

2016年09月10日 | 

          

 半藤一利さんと出口治明さんの対談「世界史としての日本史」小学館新書を読んだ。半藤さんは昭和史の語り部とも呼ばれ、我々の世代が学校で習うことのなかった実録の昭和史を教えてくれる貴重な存在である。出口さんは会社社長をしながら世界史を勉強された、学者も裸足で逃げ出す世界史の博学だ。

 これは対談で具体的な史実はほんの一部分しか出てこないが、世界に起きていることの理解と評価にどれほど歴史を知ることが重要かを教えてくれる内容だ。そうした歴史的な教養を背景に、現代世界がどう理解評価できるかが話し合われている。勿論、結局は自分の頭で学び判断しなければならないわけだが、夜郎自大にならず、謙虚に史実を見つめることの大切さが何度も強調されている。

 お二人の千分の一程度しか歴史を知らない私でも、人間社会の理解には歴史の知識が欠かせないことは十分承知している。しかるに、民主主義をどう履き違えたか、平成の世では碌な知識もないのに気に食わないと断罪非難する風潮が蔓延ってきている。民主主義というのは誰もが貴重なかけがえのない存在であることを基幹として、人様々な考え方を許容しながら、自分よりも優れた考えがあることを認めることのできる心に支えられているものだろう。

 気に食わない人物や物事を非難したくなる気持ちはわからないでもないが、幅広い知識もなく、高々一刻も考えず(そうでなければ極左と判断できまい)、半藤は許せん極左だと切り捨てる人達が居ると知っておぞましく感じた。恐竜より恐い。

 

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対蹠地でパラリンピック始まる

2016年09月09日 | スポーツ

 

 今朝は蒸し暑い。台風が熱風を運んでくるのだ。十三号は温帯低気圧に変わったが、熱気と雨を残していった。

 パラリンピックが始まったが、今のところ盛り上がりはもう一つのようだ。障害者への配慮からかマスコミでは比較的大きく取り上げられているが、本当の注目度は低いように感じる。まだまだ、踏み込んだ理解は十分ではないのだろう。配慮が垣間見えるうちは本物ではないのだ。

 テニス選手ではジョコビッチではなくフェデラーが一番の高収入と報じられていた。今では実力ランクでジョコビッチの後塵を浴びているが、フェデラーの持つ雰囲気、人柄に魅了される人が多いようで、スポンサー収入が多いらしい。フェデラーの素晴らしさは決して柔なものではない。それは「どうすれば日本選手もあなたのような優れた選手になれるでしょうか」と聞かれ、訝しげに「国枝が居るじゃないか」と一蹴したところに端的に表れている。

 しのぎを削るスポーツの感動は本当に優れた人物を発見しそれに触れらるところにもあるかも知れない。

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愛ちゃんは宏傑の嫁になった

2016年09月08日 | スポーツ

                          

 卓球の福原愛選手が台湾の卓球選手江宏傑と結婚した。かねてから相思相愛の噂があり、おめでとうと申し上げたい。愛ちゃんは恐らくファンの数の多さでは世界一二の卓球選手と思う。というのは日本だけでなく、中国でも絶大な人気を誇っているからだ。

 愛ちゃんは中国で卓球選手として活躍していた時期もあり、巧みな中国語と当意即妙な愛らしい発言で彼の地でも人気を獲得している。なんだか、日本での人気を上回るらしい。どうも中国政府のやることは不愉快不可解であるが、愛ちゃん人気を知ると、中国人民は中々懐の深いところがあると感ずる。 

 人気の理由は愛ちゃんの人柄と中国語によるコミュニケーション能力の高さにあるのだろう。

 台湾人の夫ということが、中国での人気にどう影響するか分からないが、愛ちゃんという人間性と高いコミュニケーション能力でさしたる陰りはないかも知れない。

 日本政府も愛ちゃんから学ぶとことは多いはずだ。かって卓球外交と言われたが、それには小手先のものではない、もっと深い意味があったように思えてくる。

 愛ちゃんと言えば錦織も思い浮かべるのだが、強敵マレーを破った。優勝が見えるベストフォーを意識し力むことなく、突き進んで欲しい。きっと愛ちゃんも宏傑も応援している。

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よしよし、まずまず

2016年09月07日 | 小考

      

 ハリルジャパンがタイに二対零で勝利した。とにかく勝ち点3を手に出来たのは大きい。タイは昔のタイと違い、結構強くなっている。戦術もあり、フィジカルもがっしりしてきている。

 ハリルホジッチ監督には75点を付けたい。原口は80点浅野と山口は75点吉田西川には70点を付ける。両酒井が65点、あとは60点と言うところだ。香川、本多、長谷部はまだまだ本調子でない。森重にも65点を付けたいところだが、ボールチェックを要求、つまらんイエローを貰ったので減点。あれは審判の判断がおかしいのだが、日本は12人を相手に戦っているのを忘れてはならない。日本の常識は通じない。世界は非常識に満ちている。

 世界の非常識と言えば、直ぐ隣にも非常識そのものの御仁が刃物を磨いている。非常識に常識が通じるわけがなく、拉致問題も暗礁に乗り上げている。表に書けない作戦がいくつかあるのだろうとは思うが、人災に思いがけないは許されない、政府はありとあらゆる可能性に備えて置いて欲しい。

 非常識な相手に非があると思われても、それほど単純には物事が進まないのが相手のある世の中、様々な可能性に対して、周到な準備するのが為政者や監督の仕事だ。

 生真面目長谷部はあれこれ反省するのだが、なぜ長谷部が使われるかをよく理解しておく必要がある。マスコミはあまり書かないがジーコジャパンは中田の扱いでおかしくなったと私は見ている。本多は優れた選手だが、ビッグマウスの持ち主で色々発言する。成る程という発言でも彼は監督ではない。本多を中田にしないように、長谷部を宮本にしないように見守りたい。

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余波をよなみと読むと

2016年09月06日 | 世の中

    

 昨夜から非常に暑い。雨風の影響はないが、台風12号の余波で熱風が上がってきたのだろう。寝苦しくて困った。

 熊本地震では本震より大きな余震があったようで、余震という呼称を変更するらしい。今までは本震を超える余震はなく、余震に注意と報ずると、高を括くって被害が出る恐れがあるからだ。

 地震だけでなく、津波にも余波がある、これは余波と書いてよなみと読ませたい。余波(よなみ)というのは実際の波のことではない。先日、近くの小さな港町までドライブしたのだが、県道から港までの道の拡幅工事がされていた。これが異常な光景で、町は寂しくなっているのに道路ばかり立派で、非常に不自然な感じがした。恐らく、3.11の東北大津波以前の都市計画なのだろう。若い人の居なくなった町に立派な歩道の付いた道路を作っても、下手をするとぺんぺん草が生えてしまう。

 一番大切な命を奪い町を破壊した大津波の余波(よなみ)は思わぬところに及び、間接的な被害も甚大だなと思った。東北の被害地は徐々に復興しているのに、間接的な被害は今も拡大浸透しているかもしれない。海岸線に住むのを避けるのは思いも寄らぬ天災から学んだ教訓なので、一概に被害損失と言えないかも知れないが、居住に投資した人には被害と言えるだろう。

 尤も、忘れる懲りない人間のことだから、五十年百年先には再び海岸線が賑合うかも知れない。

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