駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

余波をよなみと読むと

2016年09月06日 | 世の中

    

 昨夜から非常に暑い。雨風の影響はないが、台風12号の余波で熱風が上がってきたのだろう。寝苦しくて困った。

 熊本地震では本震より大きな余震があったようで、余震という呼称を変更するらしい。今までは本震を超える余震はなく、余震に注意と報ずると、高を括くって被害が出る恐れがあるからだ。

 地震だけでなく、津波にも余波がある、これは余波と書いてよなみと読ませたい。余波(よなみ)というのは実際の波のことではない。先日、近くの小さな港町までドライブしたのだが、県道から港までの道の拡幅工事がされていた。これが異常な光景で、町は寂しくなっているのに道路ばかり立派で、非常に不自然な感じがした。恐らく、3.11の東北大津波以前の都市計画なのだろう。若い人の居なくなった町に立派な歩道の付いた道路を作っても、下手をするとぺんぺん草が生えてしまう。

 一番大切な命を奪い町を破壊した大津波の余波(よなみ)は思わぬところに及び、間接的な被害も甚大だなと思った。東北の被害地は徐々に復興しているのに、間接的な被害は今も拡大浸透しているかもしれない。海岸線に住むのを避けるのは思いも寄らぬ天災から学んだ教訓なので、一概に被害損失と言えないかも知れないが、居住に投資した人には被害と言えるだろう。

 尤も、忘れる懲りない人間のことだから、五十年百年先には再び海岸線が賑合うかも知れない。

コメント
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