駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

いつの間にか相俟って

2016年09月25日 | 小験

           

 金曜土曜と待合室が患者さんで溢れかえっていた。立って待っている患者さんも居られたようで申し訳なく感ずる。中には混んでいると帰ってしまう、待てない方も居られたようだ。五日間の休診の後だから、混むのはやむを得ないかもしれない。

 たかだか五連休と言っても、その間に必ず当院が休みで困られる患者さんが幾人かは出てしまう。市内の休日診療体制は整っており、往診している患者にはケアマネージャーや訪問看護師が付いており、万が一の時の代診も頼んであるのだが、慣れたところが良いあるいは機転が利かない患者さんがおられる。それでも、大事に至ることはなく、しょうがないと休診は受け入れられているようではある。個人医院では長期休暇を取るのが、なかなか難しく頭の痛い問題だ。

 混んでいる待合室を見ると頼りにしてくれる患者さんが随分たくさん居るなあと嬉しいような不思議な感じがした。何も特別なことはしていないのだが、いつの間にか患者さんが付いて医院が成り立ち、近隣では名前だけでどこにあるどんな医院と知れ渡るようになる。勿論、そうした医院を目指しては来たのだが、自分一人でやり遂げたわけではないと強く感じた。近くは職員の努力仕事ぶり、遠くは医師会のサポートもあるだろうが、相手あっての仕事なのでこうすればこうなるといった単純簡単な話ではないと思う。

 それに絶対とか完璧ということのない仕事なので、相性の要素も大きい。付かず離れず、去る者は追わず来る者は拒まずを心がけてきた。尤も拒まずはあんまり自信がなく、それとなくやんわりと拒むことはあるような気がする。残念ながらそういう方は鈍いのかそういう対応に慣れているのか、中々気付いていただけない。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする