駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

少しずつ分かってきた新型コロナ

2020年03月06日 | 医療

               

 

 WHOによれば新型コロナの感染力はインフルエンザより弱いが死亡率は高いという。要するに感染した人を見掛けたくらいでは感染せず、数十センチの距離での咳くしゃみに晒されたり、感染者の触れたドアノブを回すような接触で感染するらしい。それは爆発的には増えない罹患者数の動きとクラスターといわれる集中した感染源の存在に一致している。

 全国に広まっているのでもはや早期に患者数をゼロにすることは不可能で、現在程度の患者増加で移行するのはコントロール出来ている範囲と見做すべきなのかもしれない。手洗いマスク不要不急の外出を止めるという政府の方針は適正と思われる。患者数を二分の一にするには数倍、四分の一にするには十数倍の負担が掛かるので、どこまで生活を抑制すればよいかは難しい判断になる。

 もう一つ注目すべきWHOの報告は不顕性感染はそれほど多くないということで、それも現在の厚労省の指針の妥当性を裏付けている。尤もこれは運よくということで、遅々として進まないPCR検査の言い訳にはならない。

 一番の問題はいつまで生活の抑制が続くかということで、助け合いお上の方針を遵守する国民性も、長引くと息切れがしてくるだろう。長期化した場合の対策も考えておかねばならない。二ヶ月を越えると我慢できないあるいは緩んでくる恐れがある。それに二ヶ月を越えれば気持ちだけでなく実生活の不具合も大きくなるだろうから政府の判断力指導力が問われる。勿論、政府の力不足を責めるばかりでは駄目で、与野党国民が智慧を出し合い冷静に協力しなければならないと愚考する。

コメント (2)
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