三月を目の前に逃げる二月はもうお終い。それにしても暖かい。
介護保険審査の帰り、時間があったので「アメリカンスナイパー」を観た。特別の予備知識もなく、ゴルゴサーティーンやジャッカルの日のようなスリリングな面白さを期待したからだ。
予測は外れ、戦争映画だった。戦争というのは殺しあいで、スナイパーも人殺しだった。いろいろな見方があるだろうが、殺されるイラク兵にもアメリカ兵と同じ家族と人生があり、これでは憎しみの連鎖が続くばかりと感じた。悪と決めつけ敵対するから殺してもいい、ましてたくさん殺せば英雄というのは私には首肯しがたい。
石川五右衛門が指摘したように盗人の種は尽きず、そして争いも尽きない世界の現実が映し出されていた。俺は悪くない彼奴が悪いと、そんなに簡単に言えるだろうかと思うのだが、短絡思考嗜好は度し難い。