駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

頭の痛い話

2015年02月21日 | 医療

              

 頭痛というのはよくある病気で、四人に一人くらいは何らかの頭痛に悩まされていると言われる。中でも多いのが緊張型頭痛と片頭痛で、この二つで頭痛持ちの頭痛(一次性頭痛)の大部分を占める。一次性頭痛(頭痛持ちの頭痛)というのは原因がはっきりせず繰り返す慢性の頭痛で、二次性頭痛というのはくも膜下出血とか髄膜炎とか明らかな原因によって起きる頭痛を言う。

 頭痛持ちはよく居るのだが、鎮痛剤や休息で回復することが多く、何とか病気に適合して生活する術を身に付けるので、糖尿病や高血圧症ほどには重要重大な問題と見なされてこなかった。まあ、しかし自覚症状があり生活の質を低下させるという意味では、糖尿病や高血圧症に劣らず困らされる病気として注目されていいと思う。

 今は片頭痛などには良い薬もできており、頭痛持ちの患者さんはもう少し積極的に医師に相談されたらとアドバイスしたい。

 さて注意を喚起しておきたいのは薬物乱用頭痛という病態があることだ。これは頭痛持ちの人が頭痛に対して過度に鎮痛剤を服用して陥る病態で、鎮痛剤で頭痛が持続悪化するという落とし穴に落ちてしまうものだ。この負の連鎖を断ち切るには、毎日痛み止めを飲んでしまう頭痛があれば神経内科医を受診されることだ。

 私は自分が頭痛持ちだったので、一般内科医としては頭痛の知識が多い方だと思う。二十五年間でくも膜下出血を三例即診断して、脳外科の先生に褒められた。こういうのも怪我の功名と言っていいのだろうか?。

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