この四月に医療の診療報酬体系が改変される。医療費というのは厚労省が決めているので、どこの医療機関に掛かっても初診料再診料などの診療価格(報酬)は一定である。勿論、その中身は医師、医療機関、疾患によって変わる。それは食べ物屋などと同じで、同じ値段のラーメンやハンバーグでも違いはある。
診療報酬体系改変の根幹は総額と配分にある。財源に余裕のない政府や支払機関は総額を抑えようとする。しかし、時代の流れに合わせ診療内容には変化が必要である。そのために重点を置きたい診療形態や疾患の報酬を上げ、さほど重要でないと思われるところは下げてくる。謂わば利益誘導によって診療形態に変化を起こすのだ。医は算術と揶揄されてきたが、実際には他業種に比べればさほどのことはない。それでも多くの医師医療機関が利益誘導に乗って動くのは事実だ。
日本はと言ってよいかわからないが、絶対神の居ない日本では利益(お金)が行動基準になってしまう。それも全体の利益でなく手前の利益が第一になりやすい。こうした行動基準が良いか悪いかは簡単には判断できないが、熟慮の上の判断でないところに問題があると思う。広い視野に立って様々な情報と取り入れて主体的に考えた末での結果ではなさそうに見える。
はたして教育がこの点にどのような影響をあたえられるだろうか?。教育の重要さを説く人は多いが、こうしたことを考えた上でのことなのだろうか。教育の重要さが論じられる時には中身と方法に注目しなければならないと申し上げたい。