笑っていいともが三月一杯で終わる。念願の吉永小百合が、最終ゲストと報じられている。あこがれの女性との共演が叶えば、タモリも以て瞑すべしということだろう。
いつかは終わるのは世の常だが、生活の一部となっていた番組が消えてしまうのに一つの時代の終演を感じる。笑っていいともはタモリなくして成立しない番組だった。なぜと言われればタモリの個性ということにされるのだろうが、ちょっと違う気もする。個性で長続きしたラジオ番組はいくつもあるがはテレビでは希有と思う(正確には知らない)。タモリはユニークで強烈な芸をいくつか持っているが、強い個性や存在感を持っているわけではない。どうも、独特の個性で長寿だったわけではなさそうだ。目立たない個性と言うべきものを持っていたのだろう。水や空気程ではないかもしれないが飯やパンくらいに、飽きない存在だった。
タモリは妙な人のように見えて、軽佻浮薄魑魅魍魎の芸能界に紛れ込んだ類い希のまともな大人だった気がする。