人間はと言うより地球上の全生物は太陽光の恵みで生きている。太陽からは何の請求書も回って来ず、未来永劫に無償で日の光を提供してくれそうだが、実はそうでもない。
太陽の寿命は五十億年と計算されているので、そんな先のことなど長生き出来てもたかだか百年の人間の思い煩うことではないように思える。しかし実は太陽も患うことがあるのだ。ほぼ十一年(二十二年説もある)周期で活動が変化するのがこの四百年ばかりの観測で知られていたのだが、今回の活動期では黒点数がさほど増えず、南北磁極の反転も起きていない。どうも太陽は元気がないというのが専門家の意見で、地球は寒冷化に向かうのではとも言われている。ちょうど温暖化ガスの影響と相殺されて好都合かどうかは不明である。どの程度の寒冷化かはまだはっきりしないようだが、人類は過去にもこうした太陽活動の不活発化による寒冷を経験し生き延びてきたので、今回も切り抜けられるだろう。尤も、それは人類の知恵に劣化がなければの話で、人の不幸は蜜の味と事を荒立てる人達がボタンを掛け違える恐れはありそうだ。
太陽が神様のご指示で人類の頭を冷やそうと、一休みしようとしているのかも知れない。