この十数年結婚が遅くなり、三十過ぎても独りで居る若者というか中年が増えてきた。患者さんを診ているので実感がある。それにはいろいろな分析や解説がされている。しばしば経済的な事がその理由として第一に挙げられるのだが、果たしてそうだろうか。
高々一人の医院受付事務員を選ぶのに大変苦労した。帯に短し襷に長し、外見と内面のバランス(と言ったところで二十分では分からない)、今居る職員との相性はどうかいなーなどなど。
職員の採用選択でさえこんなに苦労するのだ。配偶者を決めるなんて、それこそあーでもないこーでもないと条件を付け始めたらできっこないと連想した。この人と決めることが出来るのは目が眩むからだと今更ながら気が付いたと申し上げたい。恋は盲目というが、あばたもえくぼに見える高揚が決断を下させるのだと思う。どうも、今は盲目になりにくい時代らしい。余計な情報が多すぎて青春のときめきが減ったのだろう。
そんなんでいいかですと、大丈夫。ちゃんと冷静に見たからといって、間違いない選択ができるとは限りません。