駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ダブリン第一歩

2012年05月10日 | 

   

  ダブリンに着いた日は雨が降っていた。小雨ではなく本格的な雨が鉛色の空から方向の定まらぬ気まぐれな風に乗って横殴りに降り掛かってきた。荷物もあるのでタクシーでホテルに向かうことにする。ケチな私は本当はバスでいいのだが、連れ合いは楽なタクシー愛用人種なのだ。

 荒天でも並んでいる人は数人、直ぐ乗れた。「ウエストベリーホテル」。の一言で「おやすいご用」。と動き出す。

 タクシーは街の顔で、旅人に与える印象は大きい。初めての街、土地勘もなくまあ頼りになるのはタクシーというか、タクシーの運ちゃんぐらいのものだ。浅黒くアフリカ系か英語は確かだが土地の人ではなさそう。四十代後半の親父だ。日本人と見たからか、元々無口なのか、話しかけることもなく、濡れた道路を走るタイヤの音を車内に響かせながら二十分ほどでホテルに着く。メータは30ユーロなにがし。トランクから荷物を出すと「サンキュー」と雨の街に消えていった。どうもアイリッシュではないので、運転手からの街の印象はヨーロッパに来たなといった程度のものだった。

 インターネットでホテルを選ぶのは難しい。こう言っては何だが日本版のガイドブックは余り当てにならない。しばしば良いホテルが抜けている。ウエストベリーは立派な設えのホテルで、従業員数こそ日本の八掛け程度だが豪華な感じで妻は私の選択にご満足のようだった。

 写真は雨が上がった翌日のもの、細部はともかく外見は堂々としている。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする