僅か2ユーロの小銭でまさか自分が日本のブログに載ったとは気が付かないだろう。しかし、無名と思いきやこの人は地球の歩き方にも写真が出ているから相当に有名な歌手(Busker)のようだ。
何とも驚いたことに、マイクもアンプもないのに声は通りに響き渡り、日本人にはない深い低音が臓腑にまで届いてくる。単純で微かな哀調を帯びたメロディーはバンジョーの音色に合い、日本人の心にもどこか郷愁を感じさせ、暫し耳を傾けたことだ。
失恋の歌のようだったが、何とも言えぬ哀愁を帯びたメロディーは二、三十年で生まれるものではなく個を超えて歴史が紡ぎ出したもののように感じた。恐らく今日も彼は通りで歌っているだろう。