休み明け時差惚けも治らないうちに、頭の痛い問題が持ち上がった。受付のKさん、アラサーでよく働く笑顔を忘れぬよい子なのだが、彼女から
「先生、ちょっとお話が」。と私の一番嫌いな台詞が出た。
「学童保育が六時までなので、間に合わないんです。母か旦那に代わりにいって貰っていたのですが、もう限界です。それで、辞めさせて戴きたいんです」。
「えっ」。っと言葉に詰まる。それとなく聞いても、それ以外には辞める理由はなく、常勤の職を失いたくない様子である。
「いつまで」。と力なく聞き返しながら、何か上手い方法はないものかと頭がくらくらしてきた。当院の閉院時間は六時で、僅か二十分遅れるだけなのにと思う。預かる方は、それはそちらの都合と素気ない返事をするだろうが、少子化対策は空念仏か。五時が定時終了の仕事でも、子供のお迎えが六時を越える働く女性も居るはずだと思う。小さな町の医院の問題は自前で何とか活路を見出すとしても、明らかになったこの制度の硬直性を何とかせねばと思う。就職難の時代、六時半や七時までの保育をする人手は居るはず、現に六時以降も保育してくれる地域があると聞く。本当に必要なところに資金援助をしなければ。
愚にも付かぬ問題ですったもんだすることしか能のない政治家と人のあら探ししか能のない記者達を、障害者福祉施設に送り込んで半年一年働かせ更正させないと、この国は奈落への坂を転げ落ちるだろう。
「写真は天国だか奈落だかへの入口」。