駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

泣きたいのは

2010年05月13日 | 医療
 Mさんは脳梗塞で寝たきりになって七年、先月八十歳の峠を越えた。鼻からの経管栄養で、話すことも動くこともできない。身体の清拭から下の世話まで、全てお嫁さんが黙々とされている。痛みに対する反応はあり、時々悲鳴のようなうめき声を上げて曲がった腕を硬直させる。
 往診に行った時、うめき声が泣き声のように聞こえたので「ああ、泣きたくなるのも分かるよ」。と軽く肩を叩くと、脇でお嫁さんが「私も泣きたいです」。と呟く。
 咄嗟に掛ける言葉が出ない。
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イエローサブマリーン

2010年05月13日 | 町医者診言
 「沖縄に米軍基地を押しつけて、沖縄が可哀相ではないか、けしからん」。と言いながら、国外移設では抑止力がないと牽制、では沖縄以外の国内では何処にと聞けば、私の居住地以外の何処かへと答えのない問題を振り回す人達が居る。
 国外移設では抑止力がないとの主張を検証すれば、沖縄の現米軍実態は周辺有事に在住米人を救助するの為の部隊で、そもそも戦闘能力はほとんどないというのが本当らしい。 
 要するに抑止力は絵に描いた餅で、それを錦の御旗に見せかけて、国内有志?の人達が既得権益と既得権力(米政府の関与不明)を守ろうと喧伝している構図なのだ。実態評価分析の裏に、見方考え方の争いがあるのだ。これこそ政治なのだが、それを見抜けないあるいは隠すジャーナリズムというのは一対何なのだろうか。
 枯れ尾花に騒ぎ立てるのではなく、枯れ尾花に光をあてて正体を明らかにしてほしい。
 勿論、物事は一言では説明できない。しかしまあ、千八百字くらいあれば要点は尽くせるだろう。空疎なレッテル張りやアジテーションでない、内容のある構図を示した千八百字十五分程度の解説と議論を政治家とジャーナリストにお願いしたい。
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