駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

食事と疾患の関係?

2010年05月15日 | 医療
 最近メタボなる言葉が一般に定着した。当然、内臓肥満を防止し心血管系疾患の予防に最適の栄養摂取法の確立した定説根拠があると思われるだろう。ところが昨日聞いた講演では、この辺りは概ねのガイドラインはあっても、まだ諸説紛々の部分があり、これから変更があるのではないかという一般医は戸惑うお話があった。
 何でまたそんなことをと思うのだが、アメリカが相当の出資をして、中国で栄養摂取内容と疾患の関係を調べたところ、中国農村部ではカロリー摂取量は多いのに肥満は少なく心疾患が非常に少ないことがわかったと言う。彼等の食事内容は比較的炭水化物の摂取が多く、動物性蛋白摂取が非常に少ないので、今までのガイドラインからずれている。人種や生活状態も違い単純な比較は難しいと思うのだが、疫学から疾患の病態に迫る一部の学者は、適正な食事内容の見直しを提言しているそうだ。
 もっともフロアーの陰では**省で調査期間中心筋梗塞で死亡した患者が居ないといっても、寿命が長いとは聞かないからなあ、中国の農村のデータなんて信用できないという声もあった。
 科学、特に医学では定説が覆ることはよくあるので、どんなものかねと聞いた。
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2010年05月15日 | 世の中
 吉村昭を読み始めたのでネット通販で物色する時、書評を読むことがある。中にこの作者のはどれも暗いのだが、これはまずまず読めると言ったような感想文があった。勿論、暗いというのは褒めているのでなく、悲観的、落ちこぼれ、二流のといった意味合いに取れる。そうした感想を抱く人は、失礼ながら本当に小説を読んでいるのだろうかと訝しく思った。
 光と陰はそのもので、どちらかが優れたものどちらかが劣ったものといった捉え方は、まるで底の浅いジャーナリストのようで、もう一度読み返してみてくださいと言いたくなる。
 根暗やオタクなども人を貶めるように使われる。これには妥当な使われ方もあると思うが、意地悪く言えば根馬鹿や軽薄が自分を棚上げするために使うこともあるようだ。
 まあこうした私の感想にも、かっこつけるな偉そうにと言った批判があるだろう。しかし、多角的視点と幅の広い視野が誤解を減らし誤謬を減らすのは本当だ。それこそ矛盾していると言われるかも知れないが明るい一歩を導くと申し上げたい。
 蛇足に、マスコミの報道は正論風を装っているが、底の浅い偏向した内容も多いと指摘したい。
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