駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

プロ野球開幕

2010年03月27日 | スポーツ
 昨夜、勉強会の帰りタクシーに乗った。「セリーグも始まりましたね」と運チャンが話しかけてきた。
 「ああ、そうだね」。
 「巨人、勝ちましたよ」。
 「あ、そう」。とそっけなく答えると
 「巨人お嫌いですか、私も渡辺さんはちょっとね。城島打ちましたよ」。と阪神路線に切り替えてきた。
 「おいは西鉄ファンで」。と応じようかと思ったが、ややこしくするのは止めておいた。
  なるほど、巨人嫌いにはナベツネ嫌いが多いんだ。巨人嫌いは阪神ファンのパターンが一般的らしい。元プロ野球ファンとしてはへえ、成る程と腑に落ちるところがあった。
 「原さんはいいですよね。名監督になりましたね」。
 「ああ、そうだね。原はいい」。確かに、原は物足りないと言う人はまだ少しいるだろうが、嫌う人はほとんどいないだろう。
 なぜ元ファンかといえば、もうじっくり観戦することができなくなったからだ。退屈してしまうのだ。何かしながらならいい。たぶん現在のプロ野球ファンの多くも何かしながら見たり聞いたりしているのだろうと思う。ちょうどラジオ放送には向いている。耳からの情報で局面の構図がわかりやすく、作戦や展開を緩急をつけて予想しながら観戦できる。タクシー運転手などプロのドライバーにファンが多いのもうなづける。
 今でも新聞で昨日の勝敗チェックと順位表には眼を通す。そうゆう意味ではまだファンなのかもしれない。珍しいパターンだが、中日とダイエーの名残りファンだ。タクシーの運ちゃんには思いもつかないだろう。
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大山鳴動鼠一匹で絵に描いた餅

2010年03月27日 | 医療
 平成22年度診療報酬改定が出た。何百ページもの難解な説明書を読むことはできないので主な改定点を閲覧した。医療改革が叫ばれたが、現実は大山鳴動鼠一匹で、絵に描いた餅を出された民の心境になる。
 鳩に大言壮語の形容は似つかわしくないが、ひょっとして弟ほどではないが兄にも虚言癖があるのではないかと、まだタオル否匙を投げていない鳩山シンパを任ずる私ですら危ぶんでいる。
 確かに開業医から勤務医への軸足移行と医療崩壊を防ごうとする努力が垣間見えるが、内容は相変わらずの小手先の変容に留まっている。医療報酬をほんの少し上げたとは言うが、それはメニューの単価が0.数%上がったというだけで、売り上げ収益増には繋がらない。
 喩えれば、天丼の「松」「竹」の値段が少し上がっても「梅」の値段が据え置きでは、「梅」を注文する人が増えて、返って売り上げが下がってしまうのに似ている。否そんなことはない、患者には選ぶ権利はなく医師が「松」「竹」「梅」を決めて患者に供与するシステムになっているから、「松」や「竹」を提供すればよい、それが高度医療とそれに見合う診療報酬の増加に繋がると厚生労働省は主張するだろう。確かにもっともらしく聞こえるが、医療(診察内容)の「松」「竹」は海老が大きくなったり、穴子が余分に付いたりするわけではなく、丁寧な指導をする(紙面での説明指導)と「松」「竹」の追加料金が取れるシステムなので、患者にも医師にもその差が判然としない。患者の生活習慣を変えるには文面の指導よりも、長い付き合いと信頼が一番で、文面指導はそうすると証拠に残るという官僚的な発想から生まれた虚構と思う。この患者さんは「梅」だから手を抜くということは絶対にないので、「松」料金を請求された患者からは「梅」と変わんないじゃないかと不満が出るだろう。実際には患者側には直接「松」と「梅」を比較する機会は少ないのだが、医師側(私を含め半数くらい?)は「松」も「梅」の大して変わりない指導をしているのに五割増しの料金を頂いてよいものだろうかと不安になるのだ。
 そうすると勢い私のような低所得者の方が多い地域と山の手の医師では、同じことをしていても「松」「竹」料金の取りやすさに差が出ると言う奇妙なことが起こる。
 こういう玉虫色の難しい判断を現場の医師に丸投げするやり方は止めて、医師の持っている資格や患者の重症度で診療料金を変えるシステムにして欲しい。
 ちょっと頭に血が上り、一般の人に診察料金のからくりを暴露して不備への不満をぶちまけてしまった。

 ほとんどの政治家は口先病で、羊頭狗肉の傾向があるが、それは政治家だけの責任ではないので、有権者の私は、次は大山鳴動鼠一匹でなく猪や虎が出てくるように監視しなければと、たとえ蟷螂の斧でも振るう覚悟でいる。
コメント (2)
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