玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

方丈さん

2006年03月20日 | 捨て猫の独り言

 中央線に高円寺という駅がある。ねじめ正一の直木賞作品 「高円寺純情商店街」 や8月の東京高円寺阿波おどりで知られる。私は作品を読んでいないし、おどりを見学していない。市街地図を見ると町名となった高円寺(曹洞宗)をはじめとするお寺が多いことに気づく。

 私の職場の隣の席に36歳になる男性数学教師がいる。本業はお寺の方丈さんつまり住職さんで数学は非常勤だ。ちなみに1丈は10尺で約3メートルである。方丈とは3メートル四方のこと。地下鉄新高円寺駅近くの曹洞宗のお寺の3代目で独身。工学部(建築)と文学部の2つの学部を出た。お寺をあずかるにあたり永平寺で1年ちかく修行を積んだ。髪は短く刈り込んで所作は折り目正しい。心のありようが外に現れると考えている。それで私は彼と朝の挨拶などのときには、作業中でも手を止めてできるだけ正対して軽く頭を下げる。彼はこの学校の卒業生で実は私も教えたことがある。

 彼は朝と夕の2回しか食事をしない。私は弁当を食べながら自分は貪りすぎてはいないかと自問することがある。1メートルの隣でもその存在に煩わされたりすることはまるでない。たまに授業のあとロッカーで袈裟に着替えてあわただしく本業に向かうこともある。お寺を訪ねてくれるようなことがあれば袈裟を着て大歓迎しますと言う。それで近いうちに高円寺界隈のいくつかのお寺を覗いてみようと考えている。

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