キッパリと冬がやってきた。朝刊取りに出た足元でサクッツ・サクッツと霜柱が音を立てる。かって子供の頃、舗装など思いもよらない田舎道の霜柱を踏みつつ、その感触とサクッという音を楽しみながら登校していた頃をいつも思い出す。水溜りの表面に氷は張っていたが、ツララ迄は見られない寒さは知れていようが、囲炉裏や火鉢の暖房しかなったその頃はヤッパリ寒かった。
町には小学校は一つ。登校路は遠回りと近回りの2本あった。近道は川越が含まれており子供の足で4~50分はかかったろう。自分達が発見した探検路もあった。プールなどない時代、体育の水泳にも使われていたその川は、川幅の割には橋もなく浅瀬の方の飛び石を飛んで通学していた。ある寒い冬の朝下級生たちと学校に向かった。冷気の中で川にはゆらゆらと湯気が立ち登り、飛び石は薄氷が張ってきらきらと光っていた。
先頭の私は逡巡したがエイッ・エイッツとばかりに飛び石を飛び渡り川にドボン! 次いで渡ってきた弟もドボン!。そのままの登校はならず姉弟2人は濡らしたズボンのまま引き返した。学校に近かった川から自宅まで歩く内に濡れたズボンはガバガバに氷り、寒さと歩きにくさで悲しかった。凍ったズボンは直ぐに脱げず囲炉裏端に突っ立ったまま少し暖を取ってから脱いだ。ほんのこの前の事だけど、半世紀前の昔話になってしまった。
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