滞在中にゲート前には延べ4日間座り込んだ。前半の2日間は徒歩で、後半は車に便乗させてもらって参加した。この宿からゲート前まで徒歩で行く人は私ぐらいなものだ。この時期のゲート前でのもっぱらの関心事は4月23日に投開票される「うるま市長選挙」だった。翁長知事が推す若手女性候補の山内スエコ氏がベテランの現職市長に挑む。これから選挙の応援に行くというスピーチをたびたび聞いた。なんとか勝って欲しいと私も祈るような気持ちになる。
日曜日だけは座り込みはなかった。誘われて名護で開かれている写真展に行くことになった。二人の写真家による「墜落オスプレイに海中から迫る!」と「高江のオスプレイN1建設現場」の展示だった。前者は米軍が回収する前にいち早く現場に駆け付けて撮影した写真だ。海中に散乱する機体の残骸がくっきりと捉えられている。会場では写真家集団「まぶいぐみ」がこの1月に刊行した「ドキュメント ぬじゅん(NUJUN)」の創刊号が置かれていた。沖縄語で「抜く、撮る」ことである。
名護博物館ギャラリーの写真展の後は一人で行動した。「名護囲碁クラブ」の営業開始まではたっぷり時間があった。名護市役所のあたりを歩いてみた。そのあと名護漁港のなじみの食堂で昼食をとる。昨年は土砂降りの雨の中をこの食堂に飛び込んだことを思い出した。碁会所は昨年と変わらず活況を呈していた。置き碁で黒番の私は相手の石の運びに感服するばかりで3連敗を喫した。時間を計りながら碁会所を出て世冨慶で5時のバスで宿に帰った。
写真展に誘ってくれたのは、岩手で元は理科の教員をしていた小柄なIさんである。ゲート前で理路整然としたスピーチをしていた。ある晩、彼はオスプレイと従来の輸送ヘリの模型を手にして、二つを比較しながらオスプレイがいかに事故の確率の高い兵器かということを説明してくれた。二兎を追うもの一兎も得ずの例ですという。「岩手交流会の通信」というパンフを発行しているという。彼は編集も何もせず集めた記事をそのまま掲載したものだと言いつつ、その312号を差し出した。
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