旅の2日目は快晴に恵まれる。なにはともあれ白日下の湯畑に出かける。ホテルから15分なので徒歩にて行く。二次元の地図では体得できないのが地形の高低である。湧き出る熱湯を木製の桶に掛け流して湯の華の採取や温度調節をする。その湯畑の斜面は南から北に向かって落ち込んでいた。そして湯畑の北端から東には「滝下通り」がのびている。
ひょうたん型に仕切られた湯畑と、その周辺の「遊歩といこいの場」は岡本太郎が全体デザインを監修したという。瓦を埋め込んだ歩道や壁画は目新しい。また湯畑を囲む石の柵には、訪れた著名人百人として源頼朝、日本武尊、行基菩薩などの名が刻まれている。頼朝という店の温泉卵を広場で食した。
湯畑の北端から西へは、「西の河原通り」がのびている。温泉まんじゅうや漬物、ガラス細工の店などがたちならびゆるやかな上りが続く雰囲気のある通りだ。その先にあるのが「西の河原公園」である。ここも源泉の一つで大露天風呂がある。荒涼とした河原には足湯があちこちにある。足湯につかっていると上着を脱ぐぐらいの陽気だ。
旅の途中や後で知ったことが多々ある。ホテルの前の幹線通りは「ベルツ通り」という。草津にはベルツ記念館もある。明治政府に召喚されたドイツ人医師で草津温泉の泉質と環境を広く世界に知らしめたという。また長野原草津口駅は、あの「八ッ場ダム問題」による線路の移し替えなどにともない2013年に新駅舎が完成した。