桃の節句に小金井公園に出かけた。ここまで来たら、いつもの「桜の園」のベンチから5分ほど先の「梅林」まで足を延ばさない手はない。後に知ったが、2月の中旬の週末に「梅まつり」があり、野点(のだて)や琴の演奏などがあったという。梅林には28種約100本の梅があるという。
先月の梅まつりの頃より、今日の方が見頃ではないかと思われた。花梅は3系9性に分類される。トゲ状の小枝が多く原種に近い「野梅系」、枝や幹の内部が紅い「緋梅系」、梅と杏子の雑種の「豊後系」だ。昔のことだが花が白くても枝の髄が紅いからこれは紅梅だと言われて面食らった事があった。
私がその名を覚えたのは野梅系の「月影」だ。緑色のガクで花は青白くまるで緑色の梅みたいだ。一般に月影を見かける機会は少ないと思われるが、幸いなことに私は近くの個人の梅園で毎年「月影」を見ることができる。緋梅系の「紅千鳥」はよく見かける梅ではなかろうか。
「吉野梅郷」は東京都青梅市にある関東でも有数の梅の名所だった。ところが梅の木がウイルスに感染し、2014年にすべての梅の木が伐採された。吉野梅郷には青梅市の「梅の公園」のほか、個人の梅園に25,000本が植えられていたといわれる。多くの人たちが失われた梅林の再生に懸命に取り組んでいることだろう。