玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*鈴木教室

2016年10月24日 | 玉川上水の四季

 どんぐりの中にいて白くて小さな芋虫のようなものはゾウムシの幼虫だ。台風の後でもないのにクヌギの小枝が散乱している時期がある。「ハイイロチョッキリ」がクヌギの実に産卵して枝を切り落としているのだ。どんぐりの中身を食べながら幼虫になり、どんぐりから出て土の中で蛹になる。これをオープンギャラリーの鈴木さんに学んだ。私はオープンギャラリーの場を勝手に「鈴木教室」と呼んでいる。ちなみに解剖学者の養老孟司は虫マニアであり、専門にしているのはゾウムシだという。(写真は小平市民まつり)

 

 鈴木さんが節気ごとに発行している観察パンフの中に「ルリタテハ」についての記述がある。それによると、ルリタテハは年に3回世代交代をしている。単純化すれば成虫は6月、8月、10月に発生(羽化)している。10月の成虫は越冬して4月に食草が新芽を出すと産卵を始める。11月になっても暖かい日であれば正午頃に玉川上水のクヌギの樹液に姿を見せる。(写真はルリタテハ)

  

 オープンギャラリーの小さな花壇にはルリタテハの幼虫の食草であるホトトギスとサルトリイバラが繁っている。実物展示をという鈴木さんの思惑通りにギャラリーでルリタテハが産卵した。寒露の時期に葉の裏の幼虫を見せてもらった。情けないことだが私はこうして指し示してもらわないと、それと知ることができない。蛹(さなぎ)になるとほとんど動かず休眠しているように見える。蛹から脱皮して成虫が現れる羽化の瞬間を目撃できる人は幸せだ。

 京都のお祖父ちゃんからルリタテハの蛹が送られてきて、学校に行っている間に羽化し、それを窓から放したという経験をしたばかりの小学一年生がいる。この昆虫少年にギャラリーにルリタテハの幼虫と蛹がいることを伝えた。彼は自らギャラリーで幼虫や蛹を見つけ出し、登下校の途中に観察を続けていた。鈴木さんが作成したルリタテハの幼虫、蛹になる体勢の幼虫、蛹、成虫の4コマ写真入りのハガキをプレゼントしたら大喜びだった。

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