玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*龍勢まつり

2016年10月17日 | 捨て猫の独り言

 先週は御嶽に今週は秩父の「龍勢まつり」に出かけた。その二度とも似た状況に直面することになる。まず御嶽行きのJRの「ホリデー快速あきがわ・おくたま号」は、新宿から拝島までは10両連結で前4両が五日市行き、後6両が奥多摩行きで拝島で切り離される。乗り継ぎの拝島で前の4両に乗り込んで引き返す破目になった。そして秩父行きの西武鉄道の「快速急行長瀞・三峰口」は、前4両は西武秩父経由三峰口行き、後4両は御花畑経由長瀞行きである。西武秩父の一つ手前の横瀬で切り離される。偶然にも前4両に乗り込んでいて事なきを得た。

 「龍勢まつり」は毎年10月の第2日曜日に秩父市下吉田にある椋神社の例大祭として行われる。埼玉県の無形民俗文化財に指定されている。この日は午前中は雨の予報で、中止ではないかと気にかけながら出かけた。片道1時間45分かけて西武秩父駅へ着くと小雨がパラついている。しかし駅構内には祭りのプログラムが山と積まれて、中止はあり得ないという熱気にあふれていた。駅前から満員のシャトルバスで35分かけて会場へと向う。

 

 龍勢は「農民ロケット」とも言われている。祭りでは15分おきに30本の龍勢が轟音とともに「発射櫓」から後方の山中へ向けて打ち上げられる。10時過ぎには低く垂れこめていた雲も消え空高く舞い上がる龍勢を見ることができた。現在は火薬製造の資格を得た27の流派が伝統を受け継ぐという。「東西東西」に始まり「五穀豊穣を祈念し椋神社にご奉納~」という口上が終わる瞬間に龍勢は打ち上げられる。流派の桟敷席では宴が続き、一般の有料観覧桟敷席はたちまち予約完了になるという。境内には無数の露天商出店が並ぶ。

  

 打ち上げのつど流派が交代で「口上櫓」に登り代表が口上を述べる。複数の龍勢で地元の吉田中学の3年女子生徒が口上を担当していた。会場にあるテントでは龍勢の実物が展示され、龍勢に関して詳しく知ることができる。祭りは戦時中と昭和37年からの9年間の中断を乗り越えて続いているという。龍勢祭実行委員長が秩父市長というのもいいし、「龍勢保存会」の存在も頼もしい。秩父夜祭をはじめとして秩父は多くの祭りが存在する。山国秩父の人々の情熱には心打たれる。明治17年に秩父事件が勃発し困民党が終結したのが椋神社である。

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