羽田を出発し二泊三日で5万円の阪急交通社のパック旅行はどう考えても格安だ。石垣島のホテル日航八重山に連泊して竹富島、西表島に高速船で渡る。また八重山キャンペーン期間ということで、二日目の夜は特別に文化会館で高校生の若さあふれる郷土芸能を一時間にわたり鑑賞することができた。宮古列島と八重山列島をあわせて先島諸島と呼ぶ。
地域の暮らしを知るための入門編としてはパック旅行は最適だ。また現地へ旅することで、鮮明に島の位置関係などが頭に入る。バスガイドさんの案内でその土地の歴史のポイントを知ることができる。私の旅は今回も予習よりも復習が主である。石垣島一つが石垣市だけれども、竹富町は西表島、竹富島、由布島など大小16の島々からなり、変則的だが竹富町役場は石垣市内にある。
石垣島は沖縄本島から南西の方向に、東京と大阪間の距離ぐらいの位置にある。「ようこそいらっしゃいました」というのを那覇では「めんそーれ」で石垣では「おーりとーり」というほどに言葉が違う。1979年に新石垣空港を海上空港として、白保の沖合に建設の案が出たがサンゴ礁保護の反対運動で10年後に撤回された。それから長い年月を経て白保の北部のカラ岳陸上案で決着し、やっと2年前に新空港がスタートした。
日本最南端の高校の八重山商工は大峰祐太(現千葉ロッテ)投手を擁して2006年にセンバツに出場し一回戦で富山の高岡商に勝ち、全国の離島勢の甲子園初勝利を挙げた。さらにこの年の夏の選手権ではベスト16まで進む。その縁でロッテの春季キャンプは石垣市の中央運動公園野球場で行われる。そのほかに地元の誇りとして「元ライトフライ級王者」の具志堅用高と「涙そうそう」の夏川りみなどがいる。