玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*中秋の名月(白露)

2011年09月12日 | 玉川上水の四季

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 秋刀魚や梨が出回り始めた。旬のものをいただく時には天地に対する感謝の気持ちが自然に湧いてくる。先ほど柿の木の茂みの中でメジロが4~5羽うごめいているのに気付いた。体を接して枝にとまり、お互いに羽づくろいしているのだろうか。双眼鏡で覗いてみる。昆虫やクモを捕えているのだろうか。その下の畑には夏野菜はすでになく、白いニラの花が畑の縁に一列に並んでいる。小さな花の集合体のニラの花には小さな蝶や蛾などが集まってきている。ニラの花の可憐な存在に気付く。(写真はニラ)

 隣家では紀伊半島に甚大な被害をもたらした台風12号の直前にニガウリのネットを取り外し整理した。ところが我家のそれは繁るがままに放置してある。小ぶりな実が多くなったが、まだ収穫できる実をつけ続けている。収穫できたニガウリを消費するため今年はニガウリの佃煮という新たな料理が食卓に出るようになった。いつ緑のカーテンを処理するかまだ決めていない。さて庭のハギとサルスベリの花期は7月から9月とほぼ同じである。どちらも今月いっぱいは楽しめそうだ。

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 旧暦とは、ほぼ30日で繰り返される月の満ち欠けを基準としたカレンダーである。旧暦では7、8、9月が秋である。旧暦8月15日を中秋と呼ぶ。毎年ほぼ12回の満月があるのになぜか旧暦8月15日の満月は特別扱いだ。秋は収穫の時期である。その澄んだ秋空に昇るまるい月に収穫物を供えたくなる気持ちはよく理解できる。ところで今夜は運よく中秋の名月=満月を見ることができそうだ。今年の中秋の名月は本日9月12日である。昨年の中秋の名月は9月22日だったという。旧暦と太陽暦との関係については混乱させられる。(写真はカラムシ)

 二十四節気の白露は立春から数えて15番目の節気である。すなわち鈴木忠司さんが発行する8ページからなる節気のパンフレットが15冊になったということだ。玉川上水散策の貴重な手引書である。ところで昨日の白露の玉川上水ミニ観察会は私には馴染みの薄い植物ばかりだった。古代の織物の原料になった野草たちである。ちょうど花期を迎えたカラムシ(皮を?ぎ繊維に)、クズ(蔓から繊維)、アカネ(根が染料)などをこの手で触れてみた。またヌルデというウルシ科の落葉高木の花盛りや、大きな実をつけたマテバシイを見上げたりした。残暑厳しくとも上水は涼しく別天地である。

コメント (1)
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