玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*故郷の週末

2010年09月19日 | 捨て猫の独り言

 仏壇の前で3泊した。帰郷滞在中の宙ぶらりんの身では、さて今日はどう過ごしたものか思い悩むこともある。9月11日の土曜日は鹿児島市中央公民館に出かけた。県が主催する自殺対策講演会を新聞で知った。3時間のプログラムで入場は無料である。秋田大学の佐々木久長准教授が「私達にできる自殺予防対策」を秋田弁をまじえながら70分、カウボーイハット着用の俳優の萩原流行(ながれ)が「うつを体験して」を砕けた口調で60分、鹿児島出身の若き女性シンガーソングライター福井静(しずか)がのびやかに歌うミニコンサートが30分だった。

 日曜日は朝6時に目覚めて城山の展望台を目指して散歩に出た。照国神社と洋風の連れ込み宿の間を抜けて急な狭い階段を登る。山の上の観光ホテルを目指して一直線に登るルートだ。展望台の広場には朝から多くの人が集まっている。ここでラジオ体操が始まるようだ。ところでここは鹿児島市内観光ではナンバーワンのスポットである。それとラジオ体操の組み合わせに私は意表を突かれた。しかしこの機会に私もぜひ参加させてもらうことにした。

 すでに汗をかいて上半身裸で裸足の男衆もいる。なぜか女衆は小柄な方ばかりだ。これほど気分のいいラジオ体操は初めてだった。桜島とその背後の朝陽を望みながら跳んだり跳ねたりする。桜島フェリーの運航も始まったようだ。さすが薩摩武士の末裔と思わせる出来事があった。ラジオ体操第2で腿を高く上げて片足跳びというのがある。その瞬間一部の男衆は掛け声をかけながら輪になって跳ねた。まるで野武士たちの鬨の声だ。体操が終わるとやおら四股踏みが始まった。回数を数えながら20回それで解散になった。ぶしつけにも一人の男性に年齢を聞くと「満で82」だと教えてくれた。

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 山を下りていると三々五々登ってくる山下小学校の児童と父母に出会った。この小学校では月に2、3回の日曜城山登山が伝統行事だという。林芙美子や向田邦子が学んだことのある小学校だ。城山に徒歩で登るにはもっと整備されたルートがあることを知った。月曜の朝はその整備され掃除の行き届いた「城山自然遊歩道」を往復することにした。遅く目覚めてラジオ体操に間に合わなかったことが悔やまれる。ゆるやかな傾斜の幅広の道で山側に溝が整備されている。どこかの山城の城内を歩いているかのようである。照国神社の横が遊歩道の出入口だ。照国神社の祭神は島津斉彬で、神社の敷地には斉彬、久光、忠義の銅像が建っている。

コメント
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