猛暑日続きで外出する気もスッカリ失せていた。そんなさなか局所に豪雨をもたらした台風が通過した。家人は台風と逆行するコースを旅行中であったが遭遇せずに済んだらしい。 関東地方は特段の被害もなく人心地のついた2日間だった。思いがけなくポッカリと空いて涼しかった過日映画見に出かけた。
いつも出かけている立川では22本の映画が上演されていた。目ぼしいのは「キャタビラー」と「オカンの嫁入り」の2本。一方の終演時間と次の上演時間がほぼ同時という時間設定になっていて、慌ただしく同じシネマ館の中を移動した。前者は若松浩二監督で寺島しのぶがベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を得た作品。後者は原作、監督共に若い女性で大竹しのぶ、宮崎あおい共演で話題を呼んでいる。
最初が「オカンの嫁入り」で、母子家庭での親子関係が喜劇仕立てに展開されて可笑しみに満ち、終に近づくにつれ夫々の相手を思う心が伝わってシンミリさせられた。二女優の演技は力みがなく、金髪に染め上げたイカレタ風(それ故に娘は気に入らなかった)の青年の目力は強く印象に残った。次は心身ともにボロボロになってなお、「生ける屍さながら帰還し軍神として奉られた兵士」の姿は正視に堪え難く、反戦への共感を通り越して嫌悪すら・・・。オカンを後で見た方が良かったナ。